2010年夏CCS特集:アクセルリス

トップベンダーが大型合併、製品補完で全領域網羅

 2010.07.28−アクセルリスは、シミックス・テクノロジーズと対等合併し、7月1日付で新体制を発足させた。両社を合わせた売り上げが1億7,000万ドルに達する巨大ベンダーが誕生した。CCSの全領域をカバーし、“サイエンティフィック・インフォマティクス”を実現する強力で包括的な製品群を擁している。新生アクセルリスとしての新たなロードマップなどは今秋にも徐々に明らかになる予定であり、今後の動きが注目されている。

 アクセルリスは、分子モデリング/シミュレーション技術を核として発展したベンダーで、近年はワークフローを実現するプラットホーム製品「Pipeline Pilot」で成長を遂げてきた。一方のシミックスは、化合物の情報管理・検索システムに代表されるインフォマティクス領域でトップシェアを誇っており、豊富なデータベースコンテンツも強み。

 両社ともにほぼ同じ企業規模であり、共通の顧客基盤を持ちながら、製品体系はほとんど重複していないという意味で、理想的なかたちで補完しあう合併となったといえる。合併後の体制としては、CEOとCFOが旧アクセルリス側から、製品担当のトップ(ソフトウエア事業とコンテンツ事業に2分)は旧シミックス側からと、バランスの取れた組織となっている。

 とくに、製品面で注目されるのはインフォマティクスプラットホームとしての「Isentris」と「Pipeline Pilot」の連携の強化だろう。また、電子実験ノートを化学・材料系企業に普及させる機会も増えると期待しているという。もちろん、「Materials Studio」、「Discovery Studio」といったモデリング製品群もますます機能強化を図っていく。


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