BIベンダーの米クリックテックが日本法人を設立

独自の連想検索技術で成長、1年以内に国内パートナー倍増

 2010.09.15−次世代型ビジネスインテリジェンス(BI)ベンダーの米クリックテック(本社・ペンシルバニア州、ラース・ビョークCEO)は14日、日本法人のクリックテック・ジャパンを正式に設立したと発表した。パートナー経由での販売をメインとし、9名の体制でスタートしている。同社は、7月にNASDAQに上場したばかりだが、「セールスフォース・ドットコム以来の有望企業だと評価されている」(グローバル営業統括のレス・ボニー上級副社長)という。エンドユーザーが自在に使いこなせるシンプルかつ高機能なBIツールとして、急速に市場で実績を伸ばしている。

 同社は昨年3月から日本での製品販売を開始しており、アシスト、日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェア、CSKシステムズ、電通国際情報サービスが代理店として活動。現在までに120社の導入実績を築いている。

 日本法人「クリックテック・ジャパン」(垣田正昭社長)は、資本金7,400万円、本社所在地は東京都港区赤坂5-4-13(ホワイト赤坂7階)、電話03-6277-7079、FAX03-6277-7089、神戸にも事務所がある。今後、スタッフを拡充し、パートナー数も1年以内に2倍に増やす計画だ。

 同社の「QlikView」は、独自のインメモリー型連想検索技術を用いたBI製品で、ユーザーが自由な発想で画面上の表やグラフをクリックすることにより、簡単に欲しい情報が得られることが特徴。データの構造を気にせず、新しい表やグラフを作成してレポートをまとめるといった作業も簡単に行える。

 会見したレス・ボニー(Les Bonney)上級副社長は、「現在のBI製品はIT部門向けのソフトであり、潜在需要の28%にしか浸透しておらず、導入プロジェクトの7割が失敗に終わっている。これに対して、QlikViewはエンドユーザー主導型のソフトとなっており、Googleのようにシンプルでありながら、エンタープライズクラスの機能を兼ね備えている。IT業界のトレンドをみると、検索エンジンではYahooがGoogleに、スマートフォンではブラックベリーがiPhoneに、CRMではシーベルがセールスフォースに市場を奪われたが、どのケースでもシンプルさがカギになっている。シンプルでないソフトは結局は使われなくなってしまう。BI製品でも、オラクルやSAPが支配する時代は終わりを告げると思う」と自信を示した。

 QlikViewに組み込まれている独自の連想検索技術は、人間の思考経路に沿ったかたちで情報を入手できることが特徴だという。エンドユーザーにとっては、よく知っているデータの中から新しい発見や洞察が得られ、まったく新しい切り口でビジネス上の重要な意思決定が行えるようになることを意味する。「その体験、快感にはまってしまうユーザーが多い」(ボニー上級副社長)ことが同社の急成長の大きな要因だとしている。


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