2010年冬CCS特集:科学技術振興機構

検索サービスさらなる強化、外部情報源との連携も

 2010.12.02−独立行政法人 科学技術振興機構(JST)は、インターネットで無料提供している「J-GLOBAL」、「日化辞Web」および「化学物質リンクセンター」を継続的に強化。アクセスも順調に拡大中で、知名度も確実に向上してきている。

 J-GLOBALは、科学技術に関する基本的な情報をつないで発想を支援するユニークな情報探索サービスで、研究者、文献、特許、研究課題、大学・研究所、科学技術用語、化学物質、遺伝子、資料名(JST所蔵目録)などの豊富な情報が有機的にリンクしていることが特徴。外部情報源へのリンクやWebAPIを利用して、「アグロペディア」、「新J-STORE」、「科学技術コモンズ」、「研究 .net」などの外部サイトとの連携も行われている。

 J-GLOBALには月平均100万件以上のアクセスがあり、研究開発やビジネスの場での利用が目立つ。今年度内には文献情報の網羅性向上(日本人研究者が海外で発表した文献)や、機関情報の拡充(企業情報の収録)などを行い、利用者の利便性を向上させる予定である。さらに2011年度には、利用者からの要望を反映させてサイトをリニューアルし、本格版へと移行させる予定である。

 一方、日化辞Webは有機低分子化合物の化学構造を含む各種情報を収録したデータベースで、データ量は約288万件(約728万名称)だが、最新の文献をもとに毎月1万件ずつデータが追加されている。

 11月半ばに新機能が実装されたばかりで、日化辞Webの詳細表示画面の中から、日化辞番号と化合物名称でJ-GLOBALを直接検索できるようになった。また、文献検索サービス「JDream II」で検索するためのアップロードファイルを作成する機能が追加された。日化辞Webで検索した回答集合(100物質まで)から日化辞番号や化学物質名をそのままアップロードファイルに変換し、JDream IIで呼び出し、検索できる。構造式検索を入り口にしたこの新機能により、化学物質から文献の検索がより的確に、網羅的に行えるようになる。

 化学物質リンクセンターは、日化辞Webのほか、独立行政法人 産業技術総合研究所、独立行政法人 物質・材料研究機構、神奈川県環境科学センター、国立医薬品食品衛生研究所のデータベースにリンクを張り巡らせたもので、再検索なしに広く物質情報を集めることができる。今後も引き続き参加機関の拡充を図っていく。


ニュースファイルのトップに戻る