中国のITセキュリティ最大手が日本に本格進出

NSFOCUSジャパンを設立、IPSなど最新アプライアンス提供

 2011.01.29−中国のITセキュリティ市場のトップベンダーであるNSFOCUSインフォメーションテクノロジー(本社・北京、沈継業CEO)が日本に本格的に進出し、全額出資の日本法人「NSFOCUSジャパン」を設立した。ファイアーウォールや不正侵入防止システム(IPS)などのアプライアンス製品を中心に、代理店と共同で普及を目指す。NSFOCUS社は今年から積極的にグローバル化を志向する方針で、日本法人に続き、1月末に北米法人、さらに年内にはシンガポールにも支店開設を計画している。

 同社は2000年に設立された企業で、社員数は850名。中国の4大通信事業者をはじめ、金融機関、政府機関、エネルギー企業などに対して製品を提供している。とくに、中国の30ヵ所にハニーポット(わざと脆弱性を持たせた囮システム)を設置し、最新のネットワーク上の脅威を収集・分析。売り上げの20%を研究開発に投資するなど、技術力には強い自信を持っている。

 設立した日本法人は、資本金が5,000万円。本社の沈CEOが会長に、栗原章通氏が社長に就任した。8名の体制でスタートし、本社所在地は東京都千代田区神田多町2-3-2(不動ビル8階)。電話は03-5207-6011。初年度に1億円の売り上げを見込んでいる。

 販売面では、インフィニテック、京セラコミュニケーションシステム、ソフィア総合研究所、日本ユニシス、ネットワールドの5社がパートナーとして活動する。

 具体的なアプライアンス製品としては、ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)の「P300/P600/P1600」(250万円から)、IPSの「NIPS200/600/1200/2000」(130万円から)があり、小規模から大規模までの企業で利用が可能。また、分散サービス妨害(DDoS)攻撃を防止する通信キャリア向けの「ADS4000/6000」(数千万円規模)もラインアップ。さらに、マルウエア感染やサイト改ざんなどの24時間対応常時監視サービス、ウェブアプリケーションやプラットホームの脆弱性検査サービスなどを提供するASPサービス「WSP」も提供している。WSPには、今春にDNSモニタリングサービスもメニューに加えるという。

 記者会見に出席した本社の呉云坤副社長は、「日本市場に進出するためのこの2年間の努力を通じ、日本のユーザーの厳しい要求によって、われわれの製品はかなり鍛えられた。その結果として、グローバル展開への道が開けたとも思っている。日本はITセキュリティの巨大市場であり、中国と似た文化を持つ国でもある。この日本市場でぜひ成功したい」と話した。


ニュースファイルのトップに戻る