2011年夏CCS特集:サイエンス・テクノロジー・システムズ

糖鎖を利用しがんなど診断、共同研究成果を商業化

 2011.06.23−サイエンス・テクノロジー・システムズ(STS)は、材料科学および生命科学研究を支援するためのソリューションを提供。アクセルリスやティブコソフトウェア、ワールドフュージョンなど国内外の優れたパッケージを利用したビジネスを推進する一方、北海道大学などと長年にわたって展開してきたプロジェクトの商用化にも道をつけつつある。

 同社は、北海道大学と糖鎖関連の共同研究を推進しており、複合糖質データベースの開発、糖鎖MSスペクトル自動帰属アルゴリズムの開発などの成果をあげてきた。現在、科学技術振興機構(JST)の委託事業として、「糖鎖による診断システム統合ソフトウェアの開発」と「全自動糖鎖プロファイル診断システムの開発」の2件を実施中。また、これらから得られた成果を補完し、実用化・商業化を目指す「MMG技術研究組合」も結成している。

 最終的なゴールはがんなどの診断で、患者の血清から糖鎖のプロファイルを読み取り、データベースと突き合わせることによって、疾患を早期に判定・発見することができるという。

 この研究組合の活動を通して、血清中から糖鎖のみを選択的に捕捉・回収する“グライコブロッティング法”に基づく工程を自動化した糖鎖自動前処理措置「SweetBlot」、また試薬も含めた専用キット開発にめどがつき、7月にも製品化が行われる運びとなった。まずは、共同研究先に出荷されるが、今後の成果が期待されるところだ。

 一方、アクセルリス製品などのパッケージ事業については、計算のコンサルティング、解析のコンサルティングなどで付加価値を付け、専門的なノウハウに関するユーザーからの信頼を高めていく方針である。


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