2011冬CCS特集:ヒューリンクス

定番ソフトに加え製品拡大、ナノ分野で自社開発も

 2011.12.07−ヒューリンクスは、米ガウシアンの非経験的分子軌道法ソフト「Gaussian09」、米パーキンエルマー(旧ケンブリッジソフト)の「Chem&Bioシリーズ」といった定番のパッケージ製品を主力にCCS事業を展開しているが、この秋に取り扱い製品を拡大したほか、助成金を受けて開発プロジェクトを手がけるなど積極的な姿勢が目立つ。

 「Gaussian09」は、Windows版の64ビット対応で問い合わせも増加。同社では初心者向けの講習会を隔月で実施し、好評を得ている。午前中に専用GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)の「GaussView」の操作方法を無料で、午後は「Gaussian09」の講習を有料(製品購入者は無料)で行うという構成で、来年も継続して行っていく予定。

 また、「ChemBioOffice」などのパーキンエルマー製品の販売も順調に推移しているが、とりわけ製品ラインアップが幅広いことがヒューリンクスの強み。CCS分野だけで約40種類ものパッケージを揃えているため、いろいろなニーズに応えることができる。

 なかでも、1年前に販売権を取得した英クレセット製品は、ここへきて製薬企業から高い評価が得られつつあるという。とくに、リード分子に化学修飾を加える最適な部位を予測する「Fieldstere」は新規性の高い構造を発見できるとして注目されている。

 さらに、国内で代理店不在となっていた加シムバイオシス、英キーモジュール、英デジタルケミストリーの製品を、10月から販売・サポートする契約をそれぞれの開発元と結んだ。サポートに不安を感じていた既存ユーザーにとっても朗報となったようだ。

 一方、科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラムA-STEPに採択され、「ナノスケール材料向け超大規模電子構造計算プログラムの実用化研究開発」プロジェクトがスタートした。研究リーダーは東京大学大学総合教育総合センターの藤原毅夫特任教授で、高分子・金属・半導体などを対象に、自動車材料開発などに役立つシステムを目標にしているという。2年間のプロジェクトだが、成果が期待される。


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