2011冬CCS特集:科学技術振興機構

検索機能と情報量に高評価、外部サイトとの連携も

 2011.12.07−独立行政法人科学技術振興機構(JST)は、インターネットで無料で利用できる化学物質辞書「日化辞Web」(http://nikkajiweb.jst.go.jp)を運営。使いやすく有用なサービスとするため、継続的な機能強化を実施してきている。有機低分子化合物を中心に約290万件のデータを収録しており、構造式や日化辞番号、CAS登録番号、法規制番号などを知ることができる。検索結果の回答画面から外部機関のデータベースへのリンクも用意されており、安全性・毒性、スペクトル、モノマーといった情報を引き出せることも特徴となっている。

 今期には、統合型オンライン辞書サイト「Weblio辞書」と連携することにより、同サイトから日化辞Webへの検索を可能とした。同サイト経由のアクセス数は毎月増加しているという。

 また、JSTでは化学物質情報の入手・利用に関する実態、また日化辞Webへのニーズを探る目的で、インターネットでのアンケート調査を実施した。大学・公的機関、企業、医療機関など約600件の有効回答を得た。

 その結果、化学物質情報の調査・検索が業務上重要だと答えた人は89%に達した。利用目的は、「化学物質の使用・管理のため」、「研究」、「製品開発」の順に多く、情報として必要な項目としては「スペクトル等の実測データ」、「名称・構造等の基本情報」、「MSDS」、「製品情報」、「処分方法」、「環境影響」、「副作用」、「用途情報」、「論文などの研究動向」などの回答が多かった。また、国内・海外の法規制情報が知りたいという答えも目立った。これらは日化辞Webと外部リンクで現状でもある程度カバーできている。

 一方、日化辞Webの使用感については、総合評価は「良い」が18.1%、「まあ良い」が73.8%だったが、検索機能の使いやすさと情報量については、それぞれ「良い」が23.4%と24.2%を獲得した。業務に役立つかという質問には、全体の75.9%が肯定的に答えた。とくに、化学構造検索については「とても役立つ」が10.7%、「まあ役立つ」が58.7%となり、評価が高いことが分かったという。

 JSTでは、こうした結果を受けて、さらなる情報量の拡大、外部リンクの推進に力を入れていく考えだ。


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