日立ソリューションズがPHR/EHR市場に進出

専門組織を設立、海外展開も視野

 2012.06.16−日立ソリューションズは、医療・製薬業向けのIT(情報技術)ビジネスを強化し、今後の進展が期待されるPHR(パーソナルヘルスレコード、個人健康記録)/EHR(エレクトリックヘルスレコード、生涯健康医療電子記録)にフォーカスする方針を定めた。ヘルスケアビジネス事業部に専門組織を4月に設立しており、海外も視野に入れた事業展開を目指していく。

 同社は、ライフサイエンス研究支援や製薬業向けソリューションに加え、日立製作所の電子カルテ、日立メディコの医用画像処理システム、日立ハイテクの臨床検査システムなど、グループの医療系の開発を手がけている部隊も統合して、昨年10月にヘルスケアビジネス事業部を設立。100人を超える体制でスタートし、2015年には全体で売り上げを3倍に拡大させる目標を掲げている。

 今回、さらに組織改革を行い、専門の「PHR/EHR推進センター」を設立したもの。PHRは、個人が健康情報を自己管理するためのもので、診療記録や投薬記録だけでなく、生活習慣に関連したデータも統合管理される。一方のEHRは患者の生涯にわたる医療情報を地域レベル・国レベルで共有・管理しようという構想。PHRは経済産業省、EHRは総務省が計画を進めており、将来の市場性が期待されている。

 このうち、先行しているのはPHRで、個人情報を匿名化して管理できる「匿名バンク」といった製品がすでにあり、企業の健康管理部門などへの提案を行っている。外食産業やフィットネス産業も、きめ細かな顧客サービスを志向する観点からPHR情報の活用に関心を向けているという。

 また、EHRに関しては地域医療の推進など大型のプロジェクトになるが、日立製作所と連携して先行する海外で事例をつくり、来る「日本版EHR」の実施に備えたい考えだ。

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<関連リンク>:

日立ソリューションズ(医療向けソリューションのページ)
http://www.hitachi-solutions.co.jp/products/search_j/medical.html

日立ソリューションズ(医薬品製造業向けソリューションのページ)
http://www.hitachi-solutions.co.jp/pharma/

日立ソリューションズ(ライフサイエンス研究支援ソリューションのページ)
http://www.hitachi-solutions.co.jp/products/search_j/life_science.html


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