日本マイクロソフトがWindowsサーバー2012を提供開始

仮想化機能を大幅強化、オンプレミスとクラウドの連携推進

 2012.09.06−日本マイクロソフトは5日、最新型のクラウドOSとして開発した「Microsoft Windows Server 2012」(Windowsサーバー2012)を提供開始したと発表した。1日にボリュームライセンスの出荷を開始しており、26日からパッケージ版を店頭で発売する。仮想化機能である「Hyper-V」を機能強化し、強力な仮想マシン実行環境を実現したほか、ストレージの仮想化による効率的なディスクの使用、仮想化したレプリケーションを活用した事業継続への対応など、前バージョンのWindowsサーバー2008 R2に比べて180種類以上の機能強化を施した。価格は最上位のデータセンターエディションで92万5,000円から。

 Windowsサーバー2012は、企業内の小規模なサーバーから大規模なクラウド環境まで、幅広い顧客ニーズに対応できるように設計されている。エディションは、データセンターとスタンダード、エッセンシャルとファウンデーションの計4つが用意されているが、あとの2つは小規模用途向けに機能が制限されている。エッセンシャルはクラウドベース、ファウンデーションはオンプレミス志向という違いがある。

 データセンターエディションとスタンダードエディションは、基本的には同一のコードでフル機能が搭載されている。相違点は、実行できる仮想化インスタンスの数で、スタンダードの方はインスタンスが2つまでとなる。

 今回のWindowsサーバー2012の最大の特徴は大幅に強化された仮想化機能。Hyper-Vがバージョン3となり、最大320基の論理プロセッサー、4テラバイトの物理メモリー、仮想マシンごとに最大1テラバイトのメモリー、64基の仮想プロセッサーのサポート、クラスター環境で最大4,000台の仮想マシンを実行するなど、ワークロードの重い処理でも余裕をもって稼働させられる。

 同社によると、今年の第1四半期に仮想化ソフトの市場シェアでHyper-VがVMwareを逆転し、トップシェアの地位についたという。「仮想化もここまで普及すると、仮想化機能はOSに付属するもので、わざわざお金を出すような時代ではない」などとした。

 また、ネットワークを仮想化し、物理ネットワークをシェアしながら複数の論理的なネットワークを干渉することなく設計することが可能。ネットワークの複雑性を解消するとともに、オンプレミスとクラウドとの連携も図りやすくなるという。

 さらに、ストレージの仮想化では、散在している物理ディスクを束ねて大きな仮想ディスクを構成することができる。その際、物理的な容量よりも大きな仮想ディスク容量を設定しておき、実際に物理容量が不足したときにディスクを追加していくという使い方が可能。ストレージデータの重複を除去して容量を稼ぐ機能もあり、通常のファイルサーバー用途でも25%程度の使用量削減が可能だとしている。多数の仮想マシンを動かす場合に、OSの重複部分をまとめると大きな削減効果がある。

 一方、事業継続に有効なのが「Hyper-V レプリカ」機能。仮想マシンの複製を定期的に作成・同期させる機能で、障害発生時などに少し前の時間のレプリカを使用することで、検証作業を迅速に行うことができる。

Hyper-Vの機能向上


システム リソース Windows Server 2008 R2 Windows Server 2012
ホスト 論理プロセッサー 64 320
  物理メモリー 1TB 4TB
  ホストごとの仮想CPU 512 2,048
VM VMごとの仮想CPU 4 64
  VMごとのメモリー 64GB 1TB
  ホストごとのアクティブなVM 384 1,024
  ゲストNUMA ×
クラスター 最大ノード数 16 64
  最大VM数 1,000 4,000
マイグレーション 同時ライブマイグレーション 1 無制限
  記憶域ライブマイグレーション ×
  シェアードナッシング ×
メモリー 動的メモリーの最少RAM ×

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<関連リンク>:

日本マイクロソフト(Windowsサーバー2012 製品情報)
http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2012

日本マイクロソフト(Windowsサーバー2012 全国セミナー情報ページ)
http://www.microsoft.com/ja-jp/events/msc/2012/


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