コンフレックスが配座探索ソフト「CONFLEX」最新バージョン7を発売

結晶構造自動探索機能を搭載、新開発のGUIで操作性アップ

 2012.11.21−コンフレックスは、配座探索ソフト「CONFLEX」の最新バージョン7を開発、このほど販売開始した。結晶構造の自動探索機能を初めて実現したほか、専用GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を新開発し、Windowsに加えMacやLinuxにも対応させた。パーキンエルマーのChemBioOffice/ChemBio3Dとのインターフェースが実装されたことも含め、全体として使いやすくなり、実用性が大幅に向上したという。

 「CONFLEX」は1987年から開発が続いている国産CCSの代表的なプログラムで、2000年から同社が製品化を行ってきている。化学的に重要な配座異性体の最適化構造を網羅的に探索する機能を持っており、世界的にみてもユニークなソフトだといわれている。

 今回の最新版「CONFLEX7」の機能面での最大の進歩は結晶構造自動探索機能の実装。バージョン6でも、結晶エネルギー計算や結晶構造最適化の機能は盛り込まれていたが、実際に計算するためには実験値などをベースに細かな設定を行う必要があった。今回は、分子構造と空間群を入力するだけで、自動的に結晶構造を作成し、構造最適化を行い、エネルギー極小に位置する結晶構造を網羅的に算出することが可能。参照できる粉末X線回折データがあれば、最適化した結晶構造をそのデータとの類似度でソートする機能も持っている。また、結晶構造から粉末X線回折データを予測する機能も実現しており、構造研究における実用性が格段に高まったといえそう。

 さらに、新開発のGUIも最新版の大きな特徴となる。CONFLEXの旧GUIはWindows版だけであり、MacやLinux版のユーザーはコマンドライン操作でしか利用できなかった。このため、とくにMacユーザーからの反響が大きいという。軽快に動作するうえ、画面や操作系もモダンになっているため作業性に優れている。

 とりわけ、ネットワーク経由でのジョブの実行、外部プログラムとの連携が重視されており、構造を入力してネットワーク上のサーバーのリストを選べば、すぐにリモートで計算を走らせることができる。非経験的分子軌道法ソフトのGaussianとの連携もスムーズで、CONFLEXで配座解析した結果を初期構造として、ダイレクトにGaussianを実行させることが可能。

 今回の新開発GUIは完全に自社で開発したものなので、今後の機能拡張などにも柔軟・迅速に対応できるとしている。国産ソフトとしての強みを生かし、積極的にユーザーの要望を取り入れていく方針だ。

 一方、今回のCONFLEX7リリースにタイミングを合わせて、パーキンエルマーのChemBioOfficeシリーズの最新バージョン13にCONFLEXとのインターフェースが搭載された。具体的には、3次元分子モデリングソフトであるChemBio3Dが対応したもので、メニューから選択できる計算エンジンの1つとしてCONFLEX7を利用することができる。CONFLEXの機能をフルに活用するならやはり専用GUIだが、分子構造の描画や組み立てにはChemBioDrawやChemBio3Dに慣れているユーザーが多く、ChemBio3Dのメニューから直接CONFLEXが動くことはやはりインパクトが大きいということだ。

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<関連リンク>:

コンフレックス(トップページ)
http://www.conflex.co.jp/

パーキンエルマー(ChemBio3D紹介ページ)
http://www.cambridgesoft.com/Ensemble_for_Chemistry/ChemBio3D/


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