米シュレーディンガーが「PyMOL」のiPad版を無償で提供

美麗グラフィックスで分子モデル表示、サーバー版の製品化も

 2012.11.15−米シュレーディンガーは、アップルのタブレット端末「iPad」で美麗な分子モデルを表示できるアプリ「PyMOL on the iPad」をリリースした。アップルのAppStoreを通して無償で配布されており、だれでもダウンロードして使用できる。iPadから社内の化合物データベースにアクセスするための「PyMOLエンタープライズサーバー」も用意されている。

 PyMOLは、オープンソースの分子グラフィックソフトとして世界中で人気があるが、開発者が急死してしまったため、2010年からシュレーディンガーが開発・サポートを引き継いでいる。

 今回の「PyMOL on the iPad」は、分子構造を表示するだけの機能に限定されているが、レイトレーシング表示を含む美麗なコンピューターグラフィックスで分子モデルを描き出すことが可能。プロテインデータバンク(PDB)やPubChemから構造データを検索して表示することもできる。ネットワークストレージに自分の分子データを保存しておいて、学会のポスターセッションなどで実際の構造を3次元で見せながら説明するときに便利だなどという利用者の声もあるようだ。

 さらに、企業内のデータベースに接続して使うための「PyMOLエンタープライズサーバー」も追って提供される予定である。ただ、これもいままでにはなかった製品で、まだ正式にアナウンスされていないため、現時点で詳しい機能や価格などの詳細は不明。




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<関連リンク>:

米シュレーディンガー(トップページ)
http://www.schrodinger.com/

米シュレーディンガー(PyMOL 製品紹介ページ)
http://www.schrodinger.com/productsuite/5/

米シュレーディンガー(PyMOL iPad版の製品紹介ページ)
http://pymol.org/mobile


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