CCS特集2013年夏:三井情報

バイオインフォの実績活用、個別化医療狙い新事業

 2013.06.26−三井情報(MKI)は、バイオサイエンス事業を再編強化するため、既存のバイオインフォマティクス製品およびサービスを提供するバイオサイエンス室に加え、今年の4月から個別化医療の支援を目指すパーソナルゲノム室を立ち上げた。将来的には、これらを両輪としてさらなる事業の発展を図る。

 同社は30年以上前からバイオ研究用ソフトの開発を手がけており、現在はシステムインテグレーターとしての総合力を背景に、バイオサイエンス室を通してコンサルティングやシステム開発、調査研究、パッケージソフト販売などを行っている。

 とくに、自社パッケージである生体内脂質の自動同定システム「LipidSearch」、液体クロマトグラフィー質量分析器(LC/MS)に対応したバイオマーカー探索ソフト「2DICAL」は国内の研究機関をはじめ、大手製薬・食品企業にも導入が加速。今後は海外展開も視野に入れる考えだ。

 スーパーコンピューター「京」を利用した産学協同のインシリコ創薬プロジェクトにも参加しており、先端領域での技術蓄積を着々と進めてきている。

 さて、今回新設されたパーソナルゲノム室は、これら長年のノウハウを新たな事業に展開しようという試みで、とくに医療機関におけるがん関連のゲノム解析に着目している。がん患者の遺伝子の変異部位をみつけ、それをもとに患者に合わせた治療戦略を探るためのサービスで、すでに大学病院・臨床研究機関などの協力を得て、患者サンプルを使った実証試験に取り組んでいる。2014年度内にサービス開始する方向で、鋭意検討中ということだ。


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