CCS特集2013年夏:パーキンエルマー

CRO向けにクラウド戦略、モバイル対応も推進へ

 2013.06.26−パーキンエルマーは、電子実験ノート(ELN)をはじめとする強力な製品群をさらに発展させる。製薬企業に加え、CRO(臨床開発受託企業)向けの機能を強化して市場を広げるほか、ビッグデータ解析やモバイル対応など新しいトレンドに対応したソリューション提供も開始した。

 同社のインフォマティクス事業部は、医薬品の研究開発のための情報基盤を構築するためのソフトウエアを幅広く整備している。

 なかでも、ELNを含む「ChemBioOffice」の最新版であるバージョン13は、リボンインターフェースの導入などさらに操作性が改善されたほか、マイクロソフト製品との連携も強化。オフィスドキュメントや画像ファイルなどをドラッグ&ドロップ操作でELNに取り込むことが可能になった。

 とくにELNでは、新たな普及先としてCROをターゲットにする戦略。サーバー環境をクラウド上にホスティングし、CROの顧客である製薬企業との間でELNデータを簡単に交換できるようにするサービスを年内に実現させる計画だ。プロジェクト遂行中の情報共有がスムーズになり、データの品質も保証されるため、CROと製薬企業の両方にメリットが大きい。

 また、同社は昨年9月にティブコ社と提携し、この分野のデータ解析に広く使われている「スポットファイアー」の研究用途向け世界独占販売権を取得した。大量のデータからナレッジを引き出すために不可欠のソフトであり、ELNとの連携も一層進むと期待される。

 一方、モバイル機器への対応では、「ChemDraw」などのデスクトップツールのiPad版を6月にリリースした。データ登録・データ閲覧ツールとして、これからどのような利用シナリオが示されるか注目される。


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