グーグルとクラリオンが車載情報機器向けサービスで提携

カーナビを音声で操作、地理空間情報サービスを統合

 2013.05.11−グーグルとクラリオンは10日、クラリオンの車載情報機器向けにGoogle地理空間情報サービスを提供する契約を結んだと発表した。車内のカーナビを音声で操作し、インターネット上の膨大な情報を地理情報と合わせて瞬時に検索する機能を搭載する。カーナビに内蔵された情報だけを対象としている従来製品と比べ、使いやすさと便利さが格段に向上するという。年内には具体的な製品として登場する予定だ。

 グーグルによると、インターネットで検索される情報の20%が何らかの形で地理空間情報と関連付けられているという。この技術は年間2,700億ドルの市場を生み出しており、企業が173億ドルを削減しているほか、消費者も11億ドルに相当する移動時間と49億ドル相当の燃料費を節約しているという調査結果も得られている。

 グーグルはすでに多くの国で地理空間情報サービスを提供しており、80万以上のサイトがそれに基づくサービスを提供中。今回のクラリオンとの提携は、その最新の事例ということになる。

 具体的には、Googleが保持している店舗やレストランに関する電話番号や地図、写真レビューなどの情報を利用できるようにする「Gppgle Places API」、カーナビに音声認識機能を組み込むための「Google Voice API」、事前にパソコンやスマートフォンのGoogle Mapsで調べた目的地情報をカーナビに転送する「Send-To-Car」−の3つのテクノロジーをクラリオンに提供する。

 クラリオンは、日立グループの協力を得て運用している独自の自動車向けクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access」を基盤に、これらの技術を用いてグーグルのクラウドサービスを統合することにより、ユーザーにとって新しい便利さ・快適さを実現した製品づくりを進めていく。

 10日に都内で開かれた記者会見では試作機が披露されたが、ドライバーは声によって安全に目的地を検索することが可能。インターネット検索と連携しているため、正式名称だけではなく、「USJ」や「スタバ」といった略称、「おいしいラーメン屋」や「夜景のきれいなレストラン」などの修飾表現、さらには「ひつまぶしが食べたい」「タイヤチェーンがほしい」「24時間営業の花屋」などと思いつくままの自由発話で最寄りの施設を探すことができる。

 従来のカーナビでは、内蔵された情報の量や新しさに限界があるが、今回の技術はクラウドベースであるため情報量が圧倒的に多いことに加え、常に最新の情報が得られることが大きな利点になる。

 またクラリオンにとっては、すでに多くの国でサービスを提供しているグーグルの技術を採用することで、製品のグローバル展開がしやすいというメリットもあるようだ。年内には実際に製品化する予定だが、基本的には有料でのサービスを想定しているという。





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<関連リンク>:

クラリオン(トップページ)
http://www.clarion.com/jp/ja/index.html

クラリオン(Smart Accessの情報ページ)
http://www.clarion.com/jp/ja/products/2012/new/navigation/NX712/smart_access/

グーグル(Gppgle Places APIの情報ページ)
https://developers.google.com/places/documentation/?hl=ja

グーグル(Google Voice APIの情報ページ)
http://support.google.com/chrome/bin/answer.py?hl=en&answer=1331723

グーグル(Send-To-Carの情報ページ)
http://google-latlong.blogspot.jp/2010/07/google-maps-can-now-send-destinations.html


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