米CASが「SciFinder」の画面デザインなど刷新

検索手順を簡素化、画面配置変更ですっきりとわかりやすく

 2013.08.02−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)が運営する科学者向け研究ツール「SciFinder」が、最新のバージョンアップで画面や操作性が刷新され、さらに使いやすさが向上した。人間工学に基づいて画面デザインが改善されたもので、初期画面がシンプルになり、検索を行うまでのステップが短縮されたほか、検索結果の解析や絞り込みも効率良く行えるようになった。

 SciFinderは、3,700万件以上の論文・特許の抄録付き文献情報を収めた「CAplusファイル」、98万件以上の特許由来のマルクーシュ構造情報を収めた「MARPATファイル」、1億3,700万件以上の化学物質情報を収録した「REGISTRYファイル」、5,100万件以上の有機化学反応情報を収録した「CASREACTファイル」、900社から発行された6,900万件以上の試薬のカタログ情報を利用できる「CHEMCATSファイル」、日本・米国・EU・カナダ・韓国・オーストラリア・スイス・フィリピン・イスラエル・台湾・ニュージーランドの既存化学物質台帳の情報を収めた「CHEMLISTファイル」、2,200万件以上の医学論文の抄録付き文献情報「MEDLINEファイル」−といったデータベースから必要な情報を取り出すことができるサービス。国内では化学情報協会(JAICI)が代理店となっている。

 基本的な検索モードは「文献検索」「物質検索」「反応検索」の3つに分かれているため、これまではまず各モードに入ったあと、検索項目を指定し、キーワードなどを入れるという手順だった。これに対し、今回の最新版では、初期画面に文献・物質・反応の各検索項目がすべて表示されており、ユーザーはダイレクトに調べたい項目を指定することが可能。

 画面全体は「Explore」「Saved Searches」「SciPlanner」の3つのタブで仕切られており、どの状態でも「Explore」タブをクリックすることですぐに検索画面に切り替えられる。このため、検索作業が快適に進められるようになったという。

 また、「SciPlanner」がタブで独立しているため、この機能へのアクセスも容易。これは、検索結果をわかりやすく整理したり、それをグループ内で共有したりするためのツールで、2011年から提供されている。白紙のワークスペースに検索した内容を自由に配置してレポートにすることが可能。同じ物質がかかわる複数の反応を一つの反応スキームとして取りまとめる目的で多用されており、ワークスペース内に配置した情報からさらなる検索を行うこともできる。

 さらに、検索結果の絞り込み・解析機能が画面右側から左側に移り、見やすくなったことも大きな変更点。以前は、PCのディスプレーが狭い場合など、右側にあると見づらくなる場合もあったという。解析と絞り込みのタブに分かれていて、直感的に操作できることが特徴で、機能面では変更はない。

 そのほか、全体的に画面配置が変更されており、すっきりとわかりやすくなったことが目を引く。

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<関連リンク>:

化学情報協会(SciFinder 紹介ページ)
http://www.jaici.or.jp/sci/SCIFINDER/index.html

米CAS(トップページ)
http://www.cas.org/


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