三井情報が京都大学大学院医学研究科に寄付講座開設

がん治療の個別化目指しデータ収集、予測モデルやアルゴリズム開発

 2014.03.29−三井情報(MKI)は28日、中外製薬と共同で京都大学に寄附講座「臨床システム腫瘍学」を開設すると発表した。がんの個別治療の発展を目指したもので、がん患者の臨床データと生体試料に含まれる各種の生物学的情報を経時的に収集し、統合的に解析する新たな方法論を開発するとともに、これら膨大な情報から個々のがん患者に適した最良の治療法を見出すアルゴリズムを構築していく。

 今回の寄附講座が設置されるのは、京都大学大学院医学研究科で、名称は「臨床システム腫瘍学」。担当は同大学院薬学研究科の奥野恭史教授で、期間は今年4月から2017年3月までとなっている。

 具体的な研究内容としては、患者個人の病態変化・治療効果・副作用の予測計算モデルの開発、患者個人の治療プロセスを最適化する計算アルゴリズムの開発、実臨床における医療ビッグデータのデータマイニングを可能にする高速処理アルゴリズムの開発−があげられている。

 MKIは30年以上にわたってバイオインフォマティクス技術の開発・応用を進めてきており、近年ではがん治療に特化したゲノム解析に力を入れている。バイオサイエンスに対する情報技術の有効活用という観点から、がん治療研究などの取り組みを今後もサポートしていくという。奥野教授とは、この3月末まで実施されたバイオグリッドHPCIプロジェクト「新薬開発を加速する“京”インシリコ創薬基盤の構築」で共同研究を行った関係がある。

******

<関連リンク>:

三井情報(バイオサイエンス事業のページ)
http://www.mki.co.jp/biz/solution/bio/index.html

京都大学大学院薬学研究科(総合薬学教育開発センター薬学オープンイノベーション部門のページ)
http://pharminfo.pharm.kyoto-u.ac.jp/index.html


ニュースファイルのトップに戻る