エルゼビア・ジャパンが創薬化学向けDBサービス機能強化

コンテンツを大幅拡充、ヒートマップ機能で視覚的に解析

 2014.07.02−エルゼビア・ジャパンは、創薬化学者向けのデータベース(DB)サービスを機能強化し、「Reaxys Medicinal Chemistry 2.0」(Reaxysメディシナルケミストリー)としてリリースした。医薬品候補化合物に関連した生物活性データ、薬理作用、ADME(吸収・分布・代謝・排出)特性など、最新の実測データを文献や特許から抽出してまとめたもので、候補化合物の選択プロセスの効率化と創薬研究の生産性向上に役立つ。今回の最新版では、コンテンツを大幅に拡充したほか、化合物とターゲットとの相互関係を一覧的にとらえる「ヒートマップ」機能を搭載した。

 「Reaxysメディシナルケミストリー」は、昨年1月に買収した仏オウレウスサイエンス(Aureus)が蓄積していたDBを核に製品化したサービスだが、今回のバージョン2.0では印GVKバイオサイエンスのDB「GoStar」のコンテンツを統合し、大幅に内容を更新。約9万件の英文特許(US、EP、WO)と、20万件以上の文献(5,000誌以上の学術雑誌)を網羅し、510万の化合物情報とそれにひもづけられた約2,500万件の生物活性データ、約9,200の薬物ターゲット情報、約5,700の生物種の情報が登録されている。

 とくに、こうした豊富な情報量を生かす工夫が今回新たに搭載された「ヒートマップ」機能。これは、行列をもとに数値の大小を色の濃淡などで視覚的に表現する解析グラフの手法で、化合物とターゲット、化合物と細胞種などさまざまな相互関係を表形式に並べて比較することができる。特定のターゲットや細胞種に対する化合物の親和性を定量化した独自の“Px値”で並べ替えたり、生物種の違いやin vivoかin vitroか、セルラインなど切り口を変えたりすることにより、親和性の高い範囲の目安を簡単に読み取ることができるという。本来の標的とは異なるオフターゲットの可視化も可能である。

 また、Reaxysメディシナルケミストリーは、世界最大級の反応・化合物DBである「Reaxys」とは独立したサービスだが、今回から両製品のユーザーインターフェースを共通化し、1つのサービスのように両方を利用することができるようにした。中堅・中小の製薬企業では、合成化学者と創薬化学者を兼務する例も多いため、実際のユーザーからシームレスに使いたいという声があったようだ。両方のサービスを契約していれば、同じ画面の中でReaxysの検索とReaxysメディシナルケミストリーの検索をそのまま行うことができる。









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<関連リンク>:

エルゼビア・ジャパン(トップページ)
http://www.elsevier.com/jp

エルゼビア・ジャパン(Reaxysメディシナルケミストリー 製品情報ページ)
http://www.elsevier.com/jp/online-tools/reaxys-medicinal-chemistry


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