BIOVIAが共通基盤の製品体系を刷新

「BIOVIA Foundation」として機能強化、複数アプリへシングルサインオン

 2014.12.27−ダッソー・システムズ・バイオビア(BIOVIA)は、モデリング&シミュレーションやデータベース処理など、さまざまなアプリケーションの共通基盤となるプラットホーム製品の体系を刷新した。これは、「Pipeline Pilot」(パイプラインパイロット)として知られている製品で、バージョンアップに合わせてサーバー版の名称を「BIOVIA Foundation」(BIOVIAファウンデーション)にあらため、クライアント版を「Pipeline Pilot」の名前に統一した。分散システム間で複数のソフトウエアを連携させるのに適したRESTベースのウェブサービスに対応させており、シングルサインオンで複数アプリケーションの使い分けがしやすくなったほか、クラウドやモバイルデバイスのサポートなどの機能強化が実施されている。

 「Pipeline Pilot」は、もともとは旧アクセルリスが買収したサイテジック社が開発したソフトで、多段階のデータ処理をともなう一連のプロセスをワークフローとして自動実行する機能を持っている。“コンポーネント”と呼ばれる単位で処理を記述し、全体の流れを“プロトコル”として定義する。一度作成したプロトコルは一種のパイプラインとなり、入力データを変更して再利用することが可能。

 その後、段階的に機能強化され、アプリケーション連携、IT管理、開発環境などのエンタープライズクラスの機能が組み込まれて、旧アクセルリス製品全体の基盤となるプラットホーム製品として発展してきた。とくに、昨年バージョン9に更新された際に製品がサーバー版とクライアント版に分かれ、サーバー版は「Accerlys Enterprise Platform」(AEP)、クライアント版を引き続き「Pipeline Pilot」と呼称するように製品体系が変更された。

 そして今回、ダッソー・システムズとの統合後の製品体系の刷新の一環として、バージョン9.5への更新(リリースは来年第1・四半期)を機に製品名が変更されたもの。ただ名前が変わっただけではなく、アプリケーションハブとしてのシングルインスタンスで、より統合された環境、アプリケーションの相互運用性の拡張を可能にするため、大規模に利用している企業ユーザーには大きなメリットがあるという。

 また、バージョン9.2から業界標準のRESTベースのウェブサービスに対応し、新しいモバイルコンポーネントコレクションを追加したことで、iPadなどのデバイス(アンドロイド対応も開発中)からオンプレミスまたはクラウドへの接続が可能。それに加え、バージョン9.5では複数アプリケーションへのシングルサインオン、すべての科学データ/ラボデータへの監査付きでのアクセス、科学サービスやアルゴリズムへの共通アクセス−などの機能強化が施されている。全体として、個別のアプリケーションを中心とした視点ではなく、業務の流れの中で必要なアプリケーションが連携して働くイメージになるようだ。

 そのほか、将来のバージョンアップでは、分析器を含めた研究所内の幅広いリソースを管理できるようにするとともに、ダッソー・システムズの他のブランドの製品群との統合的な利用が可能になるように拡張していくとしている。

 一方、クライアント版の「Pipeline Pilot」も来年第1・四半期にバージョン9.5がリリースされる予定。マルチコア対応でパフォーマンスが改善され、テンプレートをい使って初心者でも簡単にプロトコル開発ができるようになったことに加え、NGS(次世代シーケンサー)やHCS(ハイコンテンツスクリーニング)といった生命科学の先進領域での研究に役立つイメージングコレクションやオミクスコレクションなど、いくつものコンポーネントコレクションが機能強化される。

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<関連リンク>:

BIOVIA(日本法人のトップページ)
http://accelrys.co.jp/

BIOVIA(BIOVIAファウンデーション製品紹介ページ)
http://accelrys.com/platform/enterprise-platform.html


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