アドバンスソフトがスパコン上でのシミュレーションを支援

月額5万円でソフト提供、「京」と「UV2000」に対応

 2015.02.07−アドバンスソフトは、産業界に開放されているスーパーコンピューターを用いて、高度な解析シミュレーションを実行できるようにする「スーパーコンピューティングサービス」を2月下旬から開始する。高度情報科学技術研究機構(RIST)が運用する「京」と、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する「UV2000」を対象に、同社が独自開発した解析ソフトの移植を進めており、これらのスパコン上で低料金でソフトを使用できるようにしていく。利用するためのコンサルティングやサポートなどのサービスにも応じる。

 同社は、文部科学省などの国家プロジェクトの開発成果をベースに、パッケージソフトに仕上げて独自に製品化し、継続的に機能強化やメンテナンスを行っている企業。CCS関連で、ナノ材料設計に対応した第一原理計算ソフト「Advance/PHASE」、高分子材料の設計に役立つ統合シミュレーター「Advance/OCTA」を製品化しているほか、汎用プリポストプロセッサー「Advance/REVOCAP」、流体解析ソフト「Advance/FrontFlow/red」、気液二層流解析ソフト「Advance/FrontFlow/MP」、高速流解析ソフト「Advance/FrontFlow/FOCUS」、構造解析ソフト「Advance/FrontSTR」、音響解析ソフト「Advance/FrontNoise」など数多くの国産ソフトをラインアップしている。

 近年、「京」や「TSUBAME」、「地球シミュレータ」(ES2)などのスパコンの産業界での利用が進んできているが、国内のスパコンでは外国の商用ソフトが対応していないことも少なくないため、ユーザーは利用するソフトで悩むケースが多かったという。そこで、シミュレーション用の国産商用ソフトを積極的に対応させ、スパコンの産業利用拡大を後押ししようというのが今回のサービスの狙いとなっている。

 具体的に対応するのは、「京」と「UV2000」。JAMSTEC保有のマシンはES2が有名だが、現在更新期に入っており、4月から後継機が稼働するタイミングとなっている。このため、JAMSTECが保有する2台目のマシンである「UV2000」にまずは対応させることにした。「UV2000」は世界最大規模の共有メモリーシステムであり、32TBという巨大なメモリーを生かした大規模シミュレーションで定評がある。「京」と「UV2000」はアーキテクチャーが異なるため、今回のサービスの土台としてはバランスが良い。

 実際にこれらのスパコンを使用するためにはそれぞれの機関に利用申請を行って、そのテーマが採択される必要があるが、そうした申請作業も含めて代行するサービスも予定している。ソフトの利用料金自体は、1つのソフトについて月額5万円で、使用するプロセッサーの並列数は無制限と、戦略的な価格設定がなされている。

 このサービスで提供するソフトは、「Advance/PHASE」、「Advance/REVOCAP」、「Advance/FrontFlow/red」、「Advance/FrontFlow/MP」、「Advance/FrontFlow/FOCUS」、「Advance/FrontSTR」、「Advance/FrontNoise」−の6本をまずは予定している。

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<関連リンク>:

アドバンスソフト(トップページ)
http://www.advancesoft.jp/

アドバンスソフト(Advance/PHASE 製品紹介ページ)
http://www.advancesoft.jp/product/advance_phase/


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