SAPジャパン:福田譲社長が2016年戦略発表

クラウド事業が急成長、「S/4HANA」が今年の主役に

 2016.02.04−SAPジャパンの福田譲社長が3日、同社オフィスで会見し、昨年の事業の概況と、2016年の戦略について発表した。クラウド事業が急速に成長し、2018年にはクラウドとオンプレミスが逆転する勢いであること、国内では昨年から提供開始された第4世代ソリューション「SAP S/4HANA Enterprise Managment」が好調に推移していることなどが強調された。

 SAPのグローバルの業績(2015年12月期)は、総売上が前年比10%増の208億1,000万ユーロ。とくに、クラウドの新規受注が倍増し、クラウド売り上げが同82%増となったのとともに、オンプレミスも同6%成長し、ソフトウエア事業全体で12%の伸びをみせた。福田社長は「世界経済が減速するなか、IT投資の対象としてSAPが選ばれた」と胸を張った。

 その結果、過去6年にわたり、総売上と営業利益は過去最高を更新してきており、とくに売り上げに占めるクラウドの比率は2012年7%、2013年14%、2014年20%、2015年32%と拡大。2018年にはオンプレミスの売り上げを上回るようになると予想されているという。

 昨年のSAPジャパンも、売り上げは5年連続増加、4年連続で最高額を更新して、前年比6%増の6億3,600万ユーロの売上高を記録。やはり、クラウド関連の事業が好調で、クラウドの新規受注は同193%増。その内訳として、IaaSのSAP HANA Enterprise Cloud(HEC)が同218%増、顧客接点のCustomer Engagement & Commerceが同396%増、調達系のAribaが同150%増という著しい伸びをみせている。

 今年の戦略としては、「市場はビジネスを支えるITからビジネスを変えるITへとシフトしており、SAPのデジタルビジネスフレームワークでそうした変革を後押ししたい」と福田社長。これは、顧客との接点を中心にしたセールス&マーケティング、パートナーとの連携や調達などの企業間ネットワーク、従業員の力を引き出すタレントマネジメント、ビッグデータとモノのインターネット(IoT)−といった業務システム群と、それらを有機的に結びつけるコア技術としての「SAP S/4HANA」から構成される。同社ではこれを25の業種別ソリューションとして展開する予定で、すでに海外では10業種が用意されているとのこと。

 とくに、クラウドプラットホームサービスは低コストで導入でき、開発も容易なことから、大企業から中小企業まで採用が広がってきている。福田社長は、「今年も中小企業向けビジネスは重要なフォーカスの1つで、営業体制も増強している。シンプルなのでSAP S/4HANAが受けている。地方のユーザーからの引き合いも多い。クラウドで、コスト的にも手の届く範囲になってきたことが好調さの要因だと思っている」と述べた。

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<関連リンク>:

SAPジャパン(トップページ)
http://go.sap.com/japan/index.html

SAPジャパン(S/4HANA 紹介ページ)
http://discover.sap.com/japan-S4HANA


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