2016年夏CCS特集:ウェイブファンクション

高精度な計算を手軽に、2年ぶりに最新版を発売へ

 2016.06.23−ウェイブファンクションは、ユーザーフレンドリーな分子モデリングソフト「Spartan」を開発。教育機関から企業まで幅広く活用されているが、とくに最近では大学・企業ともに研究用途での利用が増加。使いやすさから、企業がシミュレーション入門として採用する例が多いと同時に、大学ではその機能性を引き出して研究室単位でまとめて導入するケースも増えているという。

 今年は、最新版の「Spartan'16」の注目度が高い。春の米国化学会(ACS)などで発表され、現在はベータ版で最終調整中。近く正式にリリースされる予定だ。製品構成は、Spartan'14と同様にスタンダード版と、並列処理対応のパラレルスイート版の2つで、保守契約に入っているユーザーは無償でバージョンアップできる。

 とくに、中心の量子化学計算エンジン(米キューケム社製のQ-Chem4.4相当)がバージョンアップされ、最新の計算手法が数多く搭載されたことが特徴。密度汎関数法(DFT)メソッドセレクターが搭載されており、GGAやGH-GGA、RSH-GGA、mGGA、GH-mGGA、RSH-mGGAなど、分類されたタブを選んで、簡単に希望の汎関数のタイプを指定できるようになった。精度の高いメソッドが多数追加されたことで、実用性が格段に高まった。

 また、計算手順をレシピとして、ユーザーの操作をガイドする機能が追加されており、柔らかい分子に対するNMR(核磁気共鳴)スペクトルの計算などが簡単に行えるようになっている。

 そのほか、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)もさらに洗練され、分子構造の組み立ての際、二次元モードと三次元モードで操作を共通化するなど、使い勝手が良くなったという。


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