プロトラブズが国内の事業体制を大幅強化

生産能力を50%アップ、射出成形・切削加工などオンデマンドで

 2016.10.14−プロトラブズ(本社・神奈川県座間市、トーマス・パン社長)は11日、本社・工場を移転し、国内における事業体制を大幅に拡充したと発表した。同社は、ネット経由で顧客から設計データを預かり、射出成形機やマシニングセンターを使ってカスタムパーツの試作製造・小ロット製作を請け負う企業。米国を本拠に、欧州と日本にも製造拠点を置いている。独自のデジタルマニュファクチャリングシステムを利用することで短納期/高品質を実現したことが特徴で、顧客の製品開発を大幅に加速させることができるという。今回、日本に約7億円を投資し、製造能力を50%引き上げた。

 米国での設立は1999年。2015年度の売り上げは2億6,500万ドル(前年度比26%増)で、医療機器や電子機器のほか、さまざまな製造業に関連した試作パーツ作成を請け負っている。日本には2009年に進出しており、今回は2度目の大幅な拡張になる。

 現在の国内のキャパシティは、射出成形で年産1,500型以上(今回能力を5割増)、切削加工で年産4万5,000パーツ以上(同)。設備としては、射出成形機が11台(55トンから350トンまで)、CNCマシニングセンターが32台、CNC旋盤が3台となっている。さらに、今年度中に二色成型への対応を行うほか、切削加工では鉄・ステンレス素材に対応できる新しい機械を導入する。また、2017年度以降は3Dプリンティング(粉末焼結(SLS)、光造形(SL)、ダイレクトメタル焼結(DMLS))にも新たに取り組む計画である。

 最大の特徴は、オンデマンドでの受託製造を行う迅速さで、利用者がCADデータをアップロードしたあと、見積もりまでに平均3時間。正式な発注後は、・リ削加工で標準3日、射出成形で標準10日で製品が出荷される。切削・射出とも最短の場合、1日で出荷が可能だという。スピードの秘密は統合化されたデジタルマニュファクチャリングシステムで、顧客から提供されたCADデータが、見積もりから形状解析、製造設計、製造制御、製造管理まで、一貫して流れる仕組みになっている。このため、コスト的にも割安に提供できるメリットがあるということだ。

 なお、射出成形に関しては、40種類以上の樹脂を在庫しているが、顧客が準備した樹脂での成形に対応した実績も多い。

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プロトラブズ(トップページ)

http://www.protolabs.co.jp/


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