ノーザンサイエンスコンサルティング:村上剛社長インタビュー

バイオ系の研究支援に力、メジャーベンダーに負けない仕事を

 2016.11.07−ノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)は、北海道・札幌に本社を置くCCSベンダーで、2004年の設立から13年目を迎えている。バイオサイエンスを中心とした研究開発を支援する高度なシステムソリューションの提供を行っており、最近では顧客ニーズにきめ細かく応えたデータ管理系パッケージの自社開発でも実績を伸ばしている。「地方の小さい会社でもメジャーなベンダーに負けない仕事をしたい」と話す村上剛社長に、これまでの歩みと現状について聞いた。

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 同社の設立は、2004年の3月。村上社長は、帝人システムテクノロジーをスタートに、CCS事業の変遷にともなって、帝人モレキュラーシミュレーション、帝人システムテクノロジー、インフォコムと、一貫してこの分野でビジネスに従事。その経験を踏まえ、NSCを設立して独立したという経緯がある。

 設立以来の主力製品は、米シミュレーションズプラスが開発している薬物動態解析・製剤設計支援ソフト「GastroPlus」。シリーズには、ADME(吸収・分布・代謝・排出)および毒性予測の「ADMET Predictor」、創薬研究プラットホームの「MedChem Studio」など、製薬業向けのシミュレーションソフトが数多く揃っている。また、バイオビアのクラウド型電子実験ノート「BIOVIA Notebook」を販売しているほか、自社開発パッケージとして機器分析データの統合管理と解析支援を行う「ChartSpect」、バイオイメージデータ管理の「BioSpect」も提供中。

 意外に北海道の顧客は少なく、仕事のメインはやはり関東地区になるという。北海道で起業した理由について村上社長は、「パートナーのシミュレーションズプラスも郊外の会社(カリフォルニア州のランカスター)だし、ちょうど格安航空会社が台頭してきたタイミングだったので、変わったところでやった方が目立つだろう、ちょっと気分を変えたいといった他愛もない理由だった」と振り返る。「圧倒的に通勤が楽だし、最初のころは会社で市民農場を借りて、みんなで作物を育てるなどの楽しみもあった」と笑う。また、「お客さんも学会などで札幌に来る機会が多い。その際にちょっと立ち寄ってもらうことで関係が深まることもある」という。

 実際、本社が札幌で不利に感じることはないとのこと。「それよりも、ソフトの品質やサポートのレベルはもちろん、ポスター1枚、パンフレット1枚の仕上がりをとっても、地方の小さい会社だからダメだとか、このくらいでしようがないとか思われることは絶対に避けたいと考えてきた。大手のベンダーにも決して負けないという気持ちだ」と語る。

 今後については、「GastroPlusは化粧品や食品などの非製薬、またジェネリック関係でも実績が増えており、まだまだ伸びしろがある。自社製品は利益率が高いので積極的に伸ばしたい」と村上社長。その一方で、最近は世代交代も意識しはじめているという。「今年も開発をひとり増やしたが、ここ数年は30代の社員を採用している。タイミングをみて、さらに増やすつもりだ。若い人が入ると、お客さんの安心感にもつながると思う」と将来を見据える。

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