CCS特集2016冬:アークスパン

アッセイ管理機能を強化、機能と操作性で導入が拡大

 2016.12.06−アークスパンは、クラウドベースの次世代創薬研究支援システムを提供。電子実験ノート、化学・生物情報のレジストレーション、インベントリー管理、アッセイデータ管理の4つのアプリケーションと、データ解析ツールを統合したソリューションで、外部機関とのオープンイノベーション型の共同研究を安全かつ効率的に実施する環境として内外で導入実績が増えている。

 同社の「ArxLab」(アークスラボ)はクラウドサービスであるため開発スピードも速く、いつも最新の機能を利用できるというメリットがある。とくに今回、アッセイデータ管理機能が強化されて、古いオンプレミス型のシステムからのリプレースで注目されることが増えているという。

 ポイントは、アッセイデータを単純に登録するだけでなく、データのQC(品質管理)が可能になったこと。通常エクセルでまとめられたアッセイデータを簡単な設定でデータベースに取り込むことができ、IC50(50%阻害濃度)やEC50(50%効果濃度)などの計算も自動的に行うことが可能。それらのデータをカーブフィッティングやヒートマップなどの手法で可視化して、QCを実施することができる。

 主要な計算式はあらかじめ用意されているが、すべてJavaスクリプトで記述されており、ユーザーが自分で計算式を追加することも可能。また、クリーンにしたデータを使って、データ分析の「FTツール」でアッセイデータ解析を自由に行うこともできるようになった。

 このように高機能だが誰にでも使いやすいのがArxLabであり、今回もアッセイデータの取り込みから解析まで、データベースの専門知識を持たない研究者が自分で行えることが大きな特徴となっている。

 ArxLabの国内実績としては、現在5システムが稼働中だが、今年度末までに10システムへの増加を見込んでいる。電子実験ノートのハード・ソフトの更新期に、オンプレミスからクラウド環境への移行を検討するユーザーも多い。また、製薬業界だけでなく、化学系の機能材料開発で電子ノートが採用された例もあるという。


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