クラリベイトが世界のトップイノベーター100社を選出

特許出願数やグローバル性で評価、日本企業34社が受賞

 2017.01.14−クラリベイト・アナリティクス(旧トムソン・ロイター IP&サイエンス)は10日、知的財産・特許分野で最も革新的な企業・研究機関を独自の基準で選び出した「トップ100 グローバル・イノベーター2016」を発表した。100社のうち、日本企業は米国に次いで多い34社が選ばれており、とくに産業別の自動車関係では、全体で9社が選出されたうち、7社を日本企業が占めた。製薬業は年々増えて今回は7社になったが、ここには日本企業は含まれていない。また化学・化粧品は9社で、日本企業は3社となっている。

 「トップ100 グローバル・イノベーター」は今回で6回目の選出。6年連続で選ばれている企業が39社あり、そのうちの13社は日本企業だ。分析には、クラリベイトが提供している世界最大の特許データベース「Derwent World Patents Index」、特許調査・分析プラットホーム「Thomson Innovation」、特許引用情報の「Derwent Patents Citation Index」を使用。特許出願件数、出願した特許の登録率(成功率)、米日欧中の4大主要市場に同時出願したなどのグローバル性、他社の発明の中でその特許がどれほど引用されたかの影響力−の4つの評価基準で選び出したもの。

 記者会見したクラリベイトのデービット・ブラウン上級副社長(David Brown)は、「世界の特許出願数の増加傾向は変わらないが、今回の100社については出願数が減少し、成功率が上昇する傾向がみられた。出願には大きなコストがかかるわけで、知財の世界でも投資効果が厳しく問われる“量より質”の時代に入ったと思われる。トップ企業の知財戦略は、本当に価値のある特許を重視する方向に転換しつつある」とコメントした。

 今回のトップ100を国別にみると、米国の39社、日本の34社が飛び抜けており、以下にフランス10社、ドイツ4社、韓国3社などと続く。特許出願件数では米日を凌駕している中国から選ばれたのはファーウェイ1社のみ。2度目の選出だが、グローバル性で高い評価が与えられた。中国は出願数は多いがほとんど国内だけで、グローバル出願は全体の6%にとどまっているという。一方、米国企業は成功率が高かった。逆に、日本は前回のトップ100で40社が選ばれていたが、成功率の面で米国に逆転されることになったという。

 なお、今回のトップ100における日本企業のリストは写真で掲載した通り。このうち、今回初めて入ったのはルネサスエレクトロニクス。6回連続で選出されているのは、キヤノン、富士通、本田技研工業、NEC、日東電工、NTT、オリンパス、パナソニック、セイコーエプソン、信越化学工業、ソニー、東芝、トヨタ自動車−の13社。

 トップ100の中の自動車関係は、アイシン精機、ブリヂストン、米デルファイ、本田技研工業、ジェイテクト、日産自動車、トヨタ自動車、仏ヴァレオ、矢崎総業−の9社。圧倒的に日本企業が強いという結果が出ている。

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