CCS特集2017年夏:化学情報協会

STN対応新サービス、統制語のシソーラスを表示

 2017.06.21−化学情報協会は、米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)の国内総代理店として、研究者のための科学情報検索ツール「SciFinder」、知財・情報検索担当者向け情報検索ツール「STN」などを提供している。とくに、STNはプロ向けのツールとして世界各国の特許庁でも使用されるなど、その網羅性と機能性で高い評価を集めている。

 STNは、CASと独FIZカールスルーエが共同で運営しているオンラインサービスで、約120種類のデータベース(STNではファイルと呼ぶ)をコマンド入力方式で検索するものだが、ここ数年、完全ウェブベースの新プラットフォーム版への移行を進めている。ただ、まだすべてのファイルが移行しておらず、従来の「Classic STN」を継続使用するユーザーも多い。

 ちょうど先ごろ、国内でSTNユーザーミーティングが開催され、その場でClassic STN対応の新サービス「STNext」(エスティーエヌ・ネクスト)が披露された。これは、ウェブブラウザーで接続する「STN on the Web」の後継製品で、最新のブラウザー技術に対応したもの。

 ログイン時のIDとパスワードが記憶され、何度も入力しなおす必要がなくなったほか、検索途中のセッションも90日間保存されるため、あとで仕事を再開することも簡単に行える。コマンドを使用する検索機能自体は変わらないが、オートサゼスチョンで入力の負担が軽減されているほか、画面構成や検索結果の表示が大幅に改良されており、検索履歴もいつでも確認可能。

 とくに、検索時に統制語のシソーラスが自動的に表示される機能がかなり便利に使えそうだ。該当する統制語を中心に、上位・下位語の階層を展開してシソーラス辞書が表示されるため、同義語・関連語を探す手間がなくなり、検索精度を簡単に引き上げることができる。また、構造検索のための作図機能も使いやすくなっており、CAS番号やInChI、SMILESを入力して構造式を呼び出す機能が追加されている。

 STNextは、STN契約者のIDとパスワードがあれば、定額制・従量制を問わず追加料金は発生しないので、すぐに利用を開始することが可能。また、特許調査を効率化するオプションの「PatentPak」が期間限定で自由に利用できるようになるキャンペーンも実施する。


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