富士通九州システムズが薬物動態パラメーター算出ツール

非線形最小二乗法による当てはめ計算、薬物相互作用解析まで一貫

 2017.08.01−富士通九州システムズ(FJQS)は7月28日、非線形最小二乗法による当てはめ計算により薬物動態パラメーターを算出する「DDI Simulator フィッティングツール」を製品化し、販売開始したと発表した。複数の薬物が体内で相互作用し、作用を増強・減弱するかを予測するシミュレーションに必要な薬物動態パラメーターを算出することができる。薬学教育にも利用できることから、独立したパッケージソフトとして製品化することにした。価格は年間使用権で40万円から。アカデミック向けは同20万円からとなっている。

 同社は、薬物相互作用予測ソフト「DDI Simulator」を独自に開発・製品化しているが、計算には薬物動態パラメーターを設定する必要がある。これまでは、エクセルなどの外部のソフトを使って、血中濃度などのデータをインポートし、モデル解析を行ってパラメーターを導き出す必要があった。ユーザーからは、別ソフトを使わずに一貫して作業したいとの要望があり、「DDI Simulator」のオプション機能として今回のフィッティングツールを開発してきていた。

 新製品の具体的な機能だが、まず残差法によりコンパートメントモデルに対するフィッティングで使用する初期値を計算、コンパートメントモデルに対するフィッティングを行う。そののち、「DDI Simulator」向けのPBPK(生理学的薬物速度論)モデルに対するフィッティングのための初期値・固定値を算出し、実際にフィッティングさせたあと、最終的な薬物動態パラメーターを出力する。

 実際には、非線形最小二乗法による当てはめ計算を実行していることになる。これは、薬学部における薬物速度論の演習で行うプロセスであり、開発中に大学から教育的な価値があるので導入したいという要望もあったということだ。

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<関連リンク>:

富士通九州システムズ(ライフサイエンスソリューションのページ)
http://www.fujitsu.com/jp/group/kyushu/solutions/industry/lifescience/

富士通九州システムズ(DDI Simulator 製品紹介ページ)
http://www.fujitsu.com/jp/group/kyushu/solutions/industry/lifescience/ddi-simulator/


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