CCS特集2017年冬:ドットマティクス

ELNなどで大型案件獲得、英VCから資金調達も

 2017.12.05−ドットマティクスは、ワールドワイドで事業が好調に推移していることを背景に、さらなる事業拡大を目指し、英国のベンチャーキャピタルであるスコティッシュ・エクイティ・パートナーズ(SEP)から資金調達した。製品のイノベーションと顧客サポート強化のため、積極的な投資を今後さらに行っていく。日本支店もスタッフ増員を図り、おう盛な引き合いに応えていく。

 同社は完全ウェブベースのケムインフォマティクスソリューションを提供。化合物登録の「REGISTER」、生物情報を扱う「BIOREGISTER」、サンプル管理の「INVENTRY」、アッセイデータ管理の「STUDIES」、電子実験ノートブック「STUDIES NOTEBOOK」などのアプリケーションを揃え、データ連携・照会・レポーティングのための「BROWSER」、対話的にデータ解析・可視化を行う「VORTEX」を戦略商品として、いわゆるポストISIS市場などで実績を伸ばしている。

 オラクルのシングルインスタンスですべてが稼動し、オンプレミスでもクラウドでも共通のシステムが利用できるため、管理や運用が楽でコストも低い。例えば、CROなどの外部パートナーと情報共有を図りたい場合でも、パートナー用のライセンスを一時的に用意するだけで済む。このため、同社のユーザーの半分はアマゾンのクラウドでシステムを運用しているという。

 海外では製薬業以外の実績も急速に増加しており、今年のユーザー会では化学大手のクラリアント社の導入事例が発表された。世界50サイトを結んで1,500ユーザーで電子ノートを利用するというもので、ケアケミカルや合成樹脂などの事業を支える化学・材料、バイオ、触媒などの研究プロセスの革新を図っていくという。

 国内では、昨年度に小野薬品工業から数百ユーザー規模の参照系システムを受注したのに続き、今年はポストISISや電子ノートの導入・更新など3社への導入が進んでいる。来年に向けては、抗体や核酸医薬などの研究領域に対して、同ソリューションの有用性をアピールしていく考えだ。


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