2018年夏CCS特集:モルシス

バイオ医薬品設計で高評価、材料科学でも新機能追加

 2018.06.20−モルシスは、生命科学と材料科学の両分野で、主に基礎研究を支援する多数のCCS製品を取り揃え、高度な技術サポートのもとで実績を着実に伸ばしている。今月から新社屋に移転し、さらに充実した体制で事業を推進していく。

 同社は、菱化システム(現三菱ケミカルシステム)と、長年のパートナーである加ケミカルコンピューティンググループ(CCG)をはじめとする提携先各社の合意のもとで、2016年12月に設立。30年にわたって展開してきた菱化システムのCCS関連事業を引き継いでさらに発展させることを目指している。

 中心は、CCGの統合計算化学プラットホーム「MOE」で、売り上げの半分近くを占める。最近では、分子モデリングの専門家向けに、中分子、核酸医薬、抗体医薬などの開発に適した機能が注目されているほか、現場のメディシナルケミストが自身でSAR(構造活性相関)解析やMMP(マッチドモレキュラーペア)解析が行えるようにしたMOEsaic機能も評価が高い。利用者の層が広いため、今春からトレーニングコースの中身も刷新して、ユーザーニーズに的確に応えるようにしていく方針だ。

 また、ケモターゲットのデータプラットホーム製品「CLARITY」がドラッグリポジショニングに役立つとして引き合いが増えているほか、バイオインフォゲートの「OFF-X」も約5,000の創薬ターゲットに関する有害事象を追跡した安全性情報サービス(毎日更新)として注目が高まっている。

 一方、材料科学分野では、マテリアルズデザインの材料設計支援統合システム「MedeA」とコスモロジックの熱力学物性推算ソフト「COSMOtherm」が安定した伸びをみせている。これに加え、今年はサイエノミクスの材料設計支援プラットホーム「SciMAPS」が機能強化された。ポリマーなどの全原子モデルを自動的に粗視化モデルに変換し、分子動力学計算を実施することが可能になった。27日には都内でセミナーを開催し、新機能について詳しく説明するという。


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