ノーザンサイエンスコンサルティングがデンマーク製ドッキング解析ソフト

モレクサス社と代理店契約、「バーチャルドッカー」販売再開

 2019.03.27−ノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)は、タンパク質とリガンドの結合相互作用を予測するドッキング解析ソフト「Molegro Virtual Docker」(Molegroバーチャルドッカー)を販売開始した。デンマークのモレクサス(Molexus)社が開発した製品で、最新のバージョン7.0が今月にリリースされたばかり。高いドッキング精度と使いやすいインターフェースを持つことが特徴で、Windows環境でシングルユーザーのほか、サイトライセンス、アカデミックライセンスなど柔軟に利用できる。30日間の無償トライアルも可能。GPUを利用した高速処理にも対応している。

 Molegroバーチャルドッカーは、もともとは2005年に設立されたモレグロ社の製品で、2006年からNSCが国内代理店を務めていた。モレグロ社は2012年9月、NGS(次世代シーケンサー)メーカーのキアゲン(QIAGEN)傘下のCLCバイオ社に買収されたが、一時期開発が停滞していたという。昨年、モレグロの共同創設者だったレネ・トムセン氏とミカエル・クリステンセン氏がスピンアウトして、あらためてモレクサス社を設立(製品の権利も継承)。NSCと代理店契約を再締結したという経緯になる。

 Molegroバーチャルドッカーはドッキングシミュレーションのための統合ソフトで、分子のプレパレーションから標的タンパク質における可能性のある結合部位の決定、リガンドのバインディングモードの予測まで、ドッキングプロセスのすべてをカバーできる。遺伝的アルゴリズムを導入したことが特徴だったが、最近のバージョンでは低分子アライメントや分子記述子などの新しい方法をカバーするように拡張されており、ニューラルネットワークやサポートベクターマシンなどの機械学習との組み合わせも可能となっている。

 とくに、最新版のドッキングエンジンは、バインディングモードを高精度で正確に同定することが可能。Guided differential evolution と呼ばれる新しいハイブリッドサーチアルゴリズムをベースにした“MolDock”を採用している。また、グラフィックにも力を入れており、リガンドとの相互作用を視覚的に調べたり、データモデリングを視覚的に行ったりすることが可能。ビジュアル面で研究者の発想を刺激するように設計されている。

 GPU対応については、計算精度がわずかに落ちるが、CUDAをサポートした一般のPC用グラフィックカードを利用することができる。



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<関連リンク>:

ノーザンサイエンスコンサルティング(トップページ)
http://www.northernsc.co.jp/

ノーザンサイエンスコンサルティング(バーチャルドッカー製品紹介ページ)
http://www.northernsc.co.jp/Molexus/MVD.php

Molexus(トップページ)
http://molexus.io/


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