2020年夏CCS特集:ヒューリンクス

論文の不正や盗用を発見、遠隔からの研究活動支援も

 2020.07.15−アルゴグラフィックスグループのヒューリンクスは、国内外から知的探求・研究開発を支援するソフトウエアを見い出し、パッケージ販売を行うことに加え、ソフトのカスタマイズやアプリケーション開発などのニーズにも対応している。

 CCS分野では、米パーキンエルマーの化学・生物学者向けサイエンスツール「ChemOffice/ChemDraw」、米ガウシアンの汎用量子化学計算プログラム「Gaussian」をはじめ、定番のパッケージを揃えており、安定した実績を築いてきている。「Chemシリーズ」は4月に最新バージョン19.1がリリースされたばかり。ホットキー機能の強化などで、分子や反応を素早く作成し、論文やプレゼンテーション用の見栄えがよくわかりやすい資料作成を簡単に行えるようになっている。

 同社のユーザーは大学などのアカデミック関係が多いが、最近注目度が高いのがスウェーデンのプリオインフォセンターが開発した「Urkund」。論文の不正・盗用などを発見するソフトで、学生らが書いた論文をアップロードすると、クラウド上のデータベースと照合・解析して、他の論文などと類似する部分を見つけ出す。一致度のほか、言い換えや類義語の使用、その他の書き換えなども考慮できる。

 また、リモート環境での研究活動を支援するため、スウェーデンのセンディオ社が開発した「ThinLinc」を新たに提供開始した。これは、Windwsやマックなどの他のOSからLinuxへのアクセスを実現するリモートデスクトップソフト。Linuxサーバー上の計算化学プログラムなどを自宅のPCから簡単に利用することが可能。

 一方、昨年度の親会社の業績向上に貢献したのが自動車の品質管理ツール「APIS IQ」。独自動車工業会(VDA)や米自動車工業会(AIAG)のFMEA(故障モード影響解析)に対応しており、日本の自動車産業でも注目度が高い。ヒューリンクスが総代理店となり、実際の販売・サポートはアルゴグラフィックスが担当している。ISO26262(機能安全規格)の取り組みとの関連もあり、直接の自動車業界のみならず素材メーカーも関心を寄せているということだ。


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