2020年冬CCS特集:コンフレックス

最新版で結晶計算を強化、受託計算サービスの需要増加

 2020.12.02−コンフレックスは、ソフトウエアやサービスを通して、顧客ニーズにマッチした計算化学ソリューションを提供。とくに、自社製品の配座空間探索プログラム「CONFLEX」は同社が製品化して20年の実績があり、グローバルにも知名度が向上している。現在、メジャーバージョンアップへの最終調整中で、近く最新版である「CONFLEX 9」がリリースされる予定だ。

 CONFLEXは、独自の高効率配座創出アルゴリズムと並列計算システムの応用により、フレキシブルな分子の配座空間を探索し、化学的に重要な配座異性体の最適化構造をもれなくみつけ出す。ここ1〜2年、アカデミックと民間企業の両方で新規ユーザーが増加してきており、長年使い込んだファン層だけではなく、ユーザーの裾野の広がりが目立つという。

 とくに、今回の最新版では、結晶構造最適化にNewton法を取り入れ、構造最適化の高速化と遷移状態構造の特定を可能にするほか、静電相互作用計算にEwald法を導入し、イオン性の共結晶等を計算する際の収束安定性を高めた。さらに、今後、生体分子に関連した機能を強化していくための取り組みとして、AMBER力場への対応を行っている。そのほか、スプレッドシート機能も強化されており、大量の計算結果を表形式にまとめることが容易になった。エクセルにエクスポートすることで、さまざまな解析に活用することができる。

 一方、同社では海外製品として米ガウシアンの非経験的分子軌道法ソフト「Gaussian」、米カリフォルニア大学で開発されている分子動力学法ソフト「Amber」、米パーキンエルマーの化学者向け統合ソフト「ChemOffice/ChemDraw」も販売中。これらをCONFLEXと組み合わせて使うなどの講習会も開催しているが、コロナ禍でリアルでの開催が難しくなっているため、個別でのオンライン講習、少人数での対面講習なども要望に応じて実施してきている。

 また、コロナ禍で出社できず研究が進まない、人手が足りないなどの悩みが顧客側にあるため、受託計算サービスへのニーズが増加。CONFLEXを使用した最安定配座の特定、探索した各配座異性体の量子化学計算による物性予測などを請け負っている。計算化学のプロに任せることで時間短縮になるとして利用が増えているという。


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