2022年夏CCS特集:プロテインメトリックス

バイオ医薬品研究を支援、プロテオミクス解析を自動化

 2022.06.28−プロテインメトリックスは、バイオ医薬品開発のための質量分析ソリューションを提供するベンダーで、昨年日本事務所を開設し、本格的な事業活動を開始している。バイオ医薬品の構成要素であるタンパク質の特性評価とプロテオミクス解析のための豊富な機能を統合しており、ラボのデジカル化/自動化を推進する基盤としても注目されている。

 同社は2011年設立だが、昨年12月に米インサイトフルサイエンス(今年4月にドットマティクスに社名変更)に買収され、グループの一員になっている。国内では、以前から同社の製品を扱っていたフィルジェン、また4月から新たに池田理化と代理店契約を結び、販売体制を整えた。

 製品は、デスクトップ版の「Byos」と、エンタープライズ版の「Byosphere」の2つ。通常の解析では、質量分析計のメーカーごとに専用のソフトウエアを使う必要があるが、プロテインメトリックス製品は一本でどのメーカーのデータでも取り込んで解析することが可能。インタクト、ペプチド、グリカン、オリゴヌクレオチドなど、目的別にアイコンを選ぶとテンプレート化されたワークフローが起動する。細かなパラメーター設定も可能だが、デフォルトで最適なものが選ばれており、機器データをドラッグ&ドロップしてワンクリックするだけで解析結果を得ることができる。標準ワークフローのほか、ユーザー定義でワークフローを作成することも可能。熟練者の解析手順を共有化できるという点で、社内業務の標準化にも役立つ。

 また、対話式に解析結果を確認しながら、情報をまとめてレポート出力する機能も持っている。異なるメーカーの機器を使っても、レポートのフォーマットを統一できるため、ユーザーからはレポートづくりの手間が大きく削減されたと喜ばれているという。とくに、レポートを作成する段階で、データセットを選び直したりパラメーターを変更したりしたくなった際、最初に戻ることなく、レポート画面内で再解析を行うことができるなど、融通の利く小回りの良さでも人気があるようだ。

 エンタープライズ版のByosphereでは、機器データの収集から解析までの自動化を図ることが可能なほか、ネットワークにつながっているすべての質量分析計から情報を集め、実施されたプロジェクトの状況や機器の状態などを把握することが可能。ダッシュボードに最新情報を表示させて、一覧画面で全体を管理することもできるようになっている。クラウドソリューションとして設計されており、外部サーバーにホスティングすることもできる。


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