インテージヘルスケアと岡山大学がAI創薬で共同研究

悪性腫瘍など難治性疾患治療薬を開発、AI応用でシード最適化

 2022.08.27−インテージヘルスケアは26日、岡山大学とAI創薬に関する共同研究を開始したと発表した。学術研究院医歯学領域(薬理学)の細野祥之教授が行う免疫グロブリン(Immunoglobulin、略称=Ig)様細胞外ドメインを標的にする難治性疾患治療薬の研究テーマにおいて、新薬創出のためのAI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」(ディープカルテット)による化合物デザインを実施していく。

 今回の共同研究のターゲットであるIg様細胞外ドメインを持つ受容体型チロシンキナーゼは、リガンド分子とのタンパク質間相互作用を介して、悪性腫瘍の発生と進展に多くの重要な働きを担っている。しかし、低分子化合物が結合できるポケットが少ないなどの理由により、その阻害剤の設計は困難だった。

 インテージヘルスケアと岡山大学は、すでにインシリコスクリーニングによってシード化合物を見いだしており、さまざまなモデルにおいてその効果を確認しているという。これを踏まえ、今回の共同研究ではAI創薬によるアプローチでシード化合物の最適化を図る。最終的に、悪性腫瘍をはじめとする難治性疾患治療薬の開発が期待される。

 なお、「Deep Quartet」は、インテージヘルスケアと理論創薬研究所、アフィニティサイエンスが3社連携で提供しているサービスで、(1)深層強化学習「Deep reinforcement learning」、(2)ファーマコフォアモデリングソフト「LigandScout」、(3)機械学習で網羅的なターゲット予測を行う「CzeekS」を組み合わせた一連のフローで構成される。これに、(4)メディシナルケミストの知見を加えることで、四重奏(Quartet)によるAI創薬プラットフォームとしているという。

******

<関連リンク>:

岡山大学(細野研究室のホームページ)
https://www.okayamayakuri.com/

インテージヘルスケア(トップページ)
https://www.intage-healthcare.co.jp/

インテージヘルスケア(Deep Quartetの紹介ページ)
https://www.intage-healthcare.co.jp/service/data-science/insilico/dq/


ニュースファイルのトップに戻る