CCS特集2022年冬:ドットマティクス

全機能がシームレス連携、データの比較・評価も容易

 2022.12.01−ドットマティクスは、世界400社以上で利用されている創薬研究ソリューションを提供。研究過程で発生したデータの集約・管理・共有をサポートすることにより、研究開発のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する。昨年4月に米インサイトフルサイエンスが同社を買収したが、今年4月末に親会社の社名が「ドットマティクス」に変更され、新生グループとして再編されている。ドットマティクス製品の開発はこれまで通り英国で行われているが、本社所在地は米国ボストンに変わっている。

 同社は、ワンプラットフォームにすべての機能を統合しており、情報も単一データベース(DB)に格納・管理される。製品間の連携はシームレスで、電子実験ノートに記載した新規化合物を簡単にDB登録できるほか、統合参照システム「Browser」を介して自在にデータ検索したりデータ解析したりすることが可能。とくに、かつて多大な支持を得た旧MDL社のISISローカルDBのように、外部データと合わせてプロジェクト単位でデータセットを共有しながらアッセイデータを比較・評価できる機能を持つことで導入実績を伸ばしたという。

 扱える情報は、低分子だけでなく、抗体やタンパク質、核酸、RNAなどのモダリティに対応しており、これら生物由来データもワークフローとして各システムと連携するようになっている。バージョンアップもハイペースで行われ、低分子創薬のための可視化や分析を行う「Blueprint」にアノテーションを付ける機能が追加されるとともに、Browserからのシームレスな呼び出しによって使いやすさも向上している。電子ノートの「Studies Notebook」もエクセルワークシートからデータを一括登録する際にPythonスクリプトを使って柔軟に行えるようになったほか、グループ製品であるバイオインフォマティクスソフトの「Prism」や「SnapGene」のデータもドラッグ&ドロップでノートに登録することが可能になった。

 ドットマティクス製品はすべての機能が単一のソースコードで構成されているため、インストールやバージョンアップ作業がシンプルでコストもかからない。個別のユーザーの要望で実装された機能も、全ユーザーに対して直ちに反映される。オンプレミスでもクラウドでも運用できるが、半分以上の顧客はアマゾンウェブサービス(AWS)で利用しているということだ。


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