ダッソー・システムズが関西で初の年次イベント開催

3Dユニバースへの発展、バーチャルツインを束ねて統合

 2025.09.16−ダッソー・システムズは、9日と10日の両日、大阪市北区のANAクラウンプラザホテル大阪で年次ベント「3DEXPERIENCE Conference Japan 2025」を開催した。関西で開くのは初めて。先進ユーザーの活用事例が多く発表されたほか、幅広いソリューションの各ブランドにおける人工知能(AI)戦略などが紹介された。同社が提唱している第7世代の“3D UNIV+RSES”(3Dユニバース)への発展が強調されたイベントとなった。

 基調講演に登壇した同社のパスカル・ダロズCEOは、産業界の変革を支えてきた同社のテクノロジーの実績を取り上げ、「電気自動車(EV)の90%は当社の技術を使用して開発されており、米食品医薬品局(FDA)が承認した新薬の100%が当社のソリューションでテストされている。また、次世代原子力プロジェクトの80%に当社の技術が採用されている」と述べた。

 そして、現在ではソフトウエアの役割がますます重要になっているとし、バーチャルツインから3Dユニバースへと発展する未来を描き出した。「バーチャルツインは、バーチャルとリアルを一体化した“V+R”で、両方を兼ね備えた顧客体験そのものに価値を持たせるような製品カテゴリーも登場してきている。この場合、バーチャルとリアルの価値は等価だ」と説明。

 次世代の3Dユニバースにおいては、「バーチャルツインの集合体が3Dユニバースであり、あらゆるものを変革する。製品のデジタルモデルだけでなく、生産工場やサプライチェーン、果てはビジネスモデルまであらゆるもののバーチャルツインをつくり、それを統合することで“V+R”の範囲を格段に広げる。コアには生成AIを据えるつもりで、反復作業は自動化して人間は創造性に集中できるとともに、専門知識が身近になるのでイノベーションも促進できる」という。

 ダロズCEOは3Dユニバースの価値として、「自然なインタラクションで、現実と同じ感覚で使用できるのでまるで魔法のように感じると思う。また、生産性の向上効果は絶大だ。数十%とかいうものではなく何十倍にものぼる。そして、いままでできなかったことが簡単にできるようになる。つまり、限界を突破できる」と展望した。

 ダロズCEOのオープニングスピーチに続き、ユーザー事例講演として、西松建設の技術戦略室技術革新部長の前啓一氏が「西松DXビジョン:建設来サイクルの改善」、ドイツの農業機械メーカーCLAAS社エンジニアソリューショングローバルヘッドのファルク・ハンス−ユルゲン氏が「エンドツーエンドプロセスを実現する、本格的なMulti-Discipline Engineering」と題して講演。さらに、特別講演として早稲田大学大学院経営管理研究科早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏が「DX×AI時代を勝ち抜くための成長戦略」という話をした。大きな盛り上がりの後、分科会に移った。

******

<関連リンク>:

ダッソー・システムズ(日本語トップページ)
https://www.3ds.com/ja/


ニュースファイルのトップに戻る