アクセルリスがPipeline Pilot向け新コレクション

Materials Studioの機能を組み込み、量子化学計算・物性予測など手軽に

 2010.06.26−アクセルリスは、アプリケーション統合とワークフロー自動化を実現するプラットホーム製品「Pipeline Pilot」(パイプラインパイロット)を利用し、材料研究における各種特性予測などを簡単に行えるようにする「Materials Studio コレクション」を製品化した。6月末からリリースする。モデリングの専門家が解析手順を組み立ててワークフローとして登録しておけば、他の研究者がそれを共有して再利用することが可能。計算結果の解析やレポーティングなどの時間のかかる作業を自動化することもでき、研究効率が大幅に向上する。

 今回の製品は、Pipeline Pilotの新しいコンポーネントコレクション。材料系のモデリングスイート製品であるMaterials Studioの機能を組み込んだコンポーネントとなっており、別のコンポーネントとつなげたり、ユーザー独自のワークフローに組み込んだりすることでさまざまな使い方が可能になる。コンポーネントをドラッグ&ドロップしてマウスで結びつけるだけで、複雑な物性計算の手順などをワークフロー化することができる。開発環境として優れているとともに、構築したワークフローをウェブ環境で共有することにより、合理的な研究方法を研究者に広めることにも役立つ。

 具体的なコンポーネントとしては、古典力学、量子力学、分子構造解析、ファイル処理(入出力・フォーマット変換)、結晶構造解析、モデル作成、物性計算・統計解析、ポリマー物性予測、ビューワー&レポーティングといった分類で多数用意されており、Materials Studioの専用スクリプトでコンポーネントを拡張することも可能となっている。

 量子力学コンポーネントとして、DMol3やCASTEP、VAMP、古典力学系ではAmorphous Cell や Forcite Plus といった計算エンジンをワークフロー中に呼び出すことができる。

 なお、今回のMaterials Studioコレクションを先行利用した事例として、英国のiCatDesignプロジェクトでのジョンソン・マッセイ社や、リチウムイオン電池の寿命を延ばす添加剤の特定に成功した三菱化学の事例があるという。三菱化学の場合は、コンビナトリアル材料科学における大量化合物のスクリーニングの成功例ということになるようだ。

Materials Studioコレクションの主要機能と特徴


資料:アクセルリス

Feature Benefit
QM components Property based approach for quantum calculations and improved resource allocation
Simulation components Graphical workflow creation and improved resource allocation
Crystallization components Build custom polymolph prediction workflows
Integration components Compatibility with Materials Studio - reads structures and study tables. Use functionality from other collections.
Manipulator components Automate layer building, symmetry operations etc in workflows
Jmol Viewer Lightweight 3D visualization of materials
Property calculators and analysis components Fast calculation of simple properties
Polymer Properties Fast calculation of simple polymer properties using Synthia


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