アクセルリスが「パイプラインパイロット」最新バージョン8.0

エンタープライズクラスの情報基盤として強化、コンポーネントコレクションも機能向上

 2010.06.08−アクセルリスは、化学・製薬・材料分野の研究開発における情報共有とワークフローを実現するプラットホーム製品の最新版「Pipeline Pilot 8.0」(パイプラインパイロット)を開発し、このほど販売開始した。64ビットサーバー環境への対応など、基本的な性能およびセキュリティや管理性も向上し、エンタープライズクラスのソリューションとしての充実が図られた。20を超えるコンポーネントコレクションもそのほとんどがバージョンアップされているが、とくにレポーティング、画像処理、化学、統計に関するコレクションが大幅に機能強化された。

 最新版8.0は、Windowsサーバー2008の64ビット版をネイティブでサポート。実質的にメモリーの制限がなくなり、テラバイト単位の大容量データの扱いが可能になった。高度なアクセスコントロールやリモートサーバーの監視機能を利用することでセキュリティが向上し、管理も簡単になっている。また、マイクロソフトのオフィスシェアポイントサーバー2007との統合も強化されており、企業の研究開発組織全体の情報プラットホームを統一し、科学情報や各種ドキュメントの共有、科学研究のワークフロー自動化などをエンタープライズレベルで行うことが可能になった。

 クライアントはWindows7にも対応しているが、とくに今回からデザインモードが追加された。これは、プロトコルの中のすべてのコンポーネントでキャッシュされたデータを確認できるモード。パラメーターを変更するとその結果が直ちに反映されるので、ユーザーによるプロトコル作成の生産性が大幅に向上するという。

 一方、コンポーネントコレクションの強化ポイントをいくつかあげると、まず画像処理関係のイメージングコレクションでは、対応する画像処理アプリケーションやファイルフォーマットを大幅に増やしたほか、専用のビューアーが追加され、各種サイズでの画像表示、注釈の付加、画像処理を行うことが可能になった。

 統計コレクションでは、学習モデルコンポーネントで“Model Applicability Domains”(MAD)をサポート。入力化合物のモデル予測範囲の適合性が判断できるため、そのモデルの総合的な予測精度だけでなく、特定の例においての予測精度も科学者自身が評価できるようになった。さらに、トレーニングセットとテストセットをプロットし、モデル予測範囲の適合性を楕円で表示する機能、モデル構築における距離計算を選択する機能、新規のトレーニングデータを利用して既存のモデルを再構築する機能なども追加されている。

 ケミストリーコレクションも細かな機能強化が多数施された。レポートに対する分子描画の向上とカスタマイズ性の拡張、化学データベースへの化合物登録や操作をサポートする新しいコンポーネントの追加など、化学情報を蓄積したり交換したりする点で一段と高度化されたということになる。


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