インフォコムがKNIMEの有償エンタープライズ版を提供
3種のプラットホーム製品揃える、統合ソリューション化で普及拡大へ
2010.04.21−インフォコムは、このほど創薬研究用のワークフロー型プラットホームとして普及拡大している「KNIME」のエンタープライズ版の国内独占販売権を取得した。もともとは独コンスタンツ大学で開発されたオープンソースのツールで、インフォコムは2008年1月から有償でノード開発やノード集の販売などのビジネスを展開してきている。今回、スイスのナイム・ドットコム社(本社・チューリッヒ、マイケル・バーソルドCEO)と販売提携したことで、プラットホームを含めた統合ソリューションが提供できるようになった。KNIMEは国内でも急速に関心が高まっており、今後の事業戦略が注目される。
今回、インフォコムが販売・サポートするエンタープライズ版KNIME製品は、大規模データの分散処理やリモート実行、ワークフロー共有、自動レポーティング作成などの本格的な利用と運用が可能な「KNIME Server」(ワークフローの共有、リモート実行、スケジューリング、ユーザーコントロール可能)、「KNIME Cluster Execution」(サン・マイクロシステムズのグリッドエンジンを利用した大量データの分散処理)、「KNIME Report Server」(クライアントで作成したレポートテンプレートをサーバー上で共有)−の3製品。すでに、KNIME Serverは産業技術総合研究所への納入が決まっているという。
同社は、KINMEのワークフローに組み込んで利用できるノード集として、化合物の構造や物性データを活用するための「JChem Extensions」、米シュレーディンガーが開発した「Schrodinger KNIME Extensions」を提供しているほか、オリジナルのノード開発にも実績がある。
また、ナイム社の認証を受けたトレーニングサービスも新たに提供開始する。KNIMEはいまのところは化学・ライフサイエンスの研究用途での普及が目立つが、本来は汎用的なデータ統合・データ分析の幅広い需要に応えることができる。正式なトレーニングが行われれば、市場の広がりも期待される。