マイクロソフトがOffice 2010の製品構成・価格など決定

個人向けと企業向けで製品区分、パッケージ価格は引下げ

 2010.04.23−マイクロソフトは22日、「Office 2010」の開発が完了し、企業向けのボリュームライセンス出荷を5月1日から、店頭などでのパッケージ販売を6月17日から開始すると発表した。パッケージ版は「パーソナル」、「ホーム&ビジネス」、「プロフェッショナル」、「プロフェッショナルアカデミック」の4種類があり、それぞれをプリインストールしたパソコンも6月17日から順次出荷が開始される。今回のOffice 2010は、Windows7との組み合わせで企業向けでの更新需要が大きいと期待されているが、パッケージ価格も現行Office 2007より低く設定されており、個人向けにも幅広い普及を目指していく。

 Office 2010は、個々のアプリケーションの機能が大幅に強化されている。全世界で750万人、国内で40万人がベータプログラムに参加したが、とくにプレゼンテーションソフト「PowerPoint」とデジタルノートブック「OneNote」に高い評価が与えられたという。

 今回のOffice 2010では、個人向けと企業向けが明確に区分され、プレインストールまたはパッケージ版は「パーソナル」(Word、Excel、Outlook)、「ホーム&ビジネス」(Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook)、「プロフェッショナル」(Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Publisher、Access)の3つのエディション、企業向けボリュームライセンス版は「スタンダード」(Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Publisher)、「プロフェッショナルプラス」(Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Publisher、Access、InfoPath、Communicator、SharePoint Workspace)の2つのエディションが用意される。なお、パッケージ版の「プロフェッショナルアカデミック」は「プロフェッショナル」と同内容で、学生および教職員だけが購入できる。

 価格(参考価格)は、パーソナルが2万9,800円(アップグレード1万5,800円)、ホーム&ビジネスが3万4,800円(同2万5,000円)、プロフェッショナルが5万9,800円(同3万7,800円)、プロフェッショナルアカデミックは2万8,381円。価格を比較すると、Office 2007はパーソナルが4万4,800円(同2万1,800円)、ホーム&ビジネスに相当するスタンダードが5万2,800円(同2万8,000円)であり、プロフェッショナルの価格は変わっていない。

 このため、パーソナルの通常版およびアップグレード版、ホーム&ビジネスの通常版の価格レンジが大きく下がっていることがわかる。これは、近年、ハードの価格が下がっているため、ソフトが相対的に割高に感じられることに配慮したものだという。とくに同社としては、ホーム&ビジネスを主力に販売していきたいとしている。

 また、Office 2010に添付されている日本語入力ソフトの最新版「IME2010」を、広くOfficeユーザーに対し単独で提供することも大きな話題だ。Office XP、Office 2003、Office 2007の正規ユーザーは、Office 2010にアップグレードしなくても、IME2010を無償でダウンロードしてインストールすることが可能。

 Office 2010は、ブラウザーや携帯電話などのPC以外のデバイスも含めた活用シーンを提供できることが大きな特徴となっており、そのためのクラウドベースのサービスである「Office Web Apps」も発売と同時期に利用できるようになる。


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