2010年夏CCS特集:ケンブリッジソフト
電子ノート核にELE推進、SaaSに大きな反響
2010.07.28−ケンブリッジソフトは、電子実験ノートブックなど企業向けソリューションが好調。将来的には、蓄積したデータを中心とした合理的な研究開発を実現する“エレクトロニック・ラボラトリー・エンバイロメント”(ELE)構想を推し進めていく計画。化合物情報や実験データの統合管理、データ分析・レポーティング、エンタープライズサーチなどを含めた包括的ソリューションのためのアーキテクチャーを構築していく。
同社の「E-Notebook」は基本機能を備えたコアモジュールをベースに、化学・生物・開発部門などの業務に即したワークフローを実装できることが特徴。日本においても完全電子化を達成した事例が出てくるなど、市場でのリードをさらに広げつつある。欧米でも完全電子化をサポートした経験が豊富であり、ベストプラクティスを提供できることが強み。日本法人のスタッフを増員して、サービスレベルの向上を図っている。
中国・大連に設けたサポートセンターも拡大しており、日本語アプリケーション開発も含めて、企業向けビジネスの重要な拠点に育っているということだ。
また、昨年秋から開始したSaaS(サービスとしてのソフトウエア)にも大きな反響が寄せられている。ネットワーク経由で電子実験ノートが利用できるというもので、コストメリットや運用面での柔軟性が大きいことから、大学・研究機関、バイオベンチャーなどですでに導入が始まっている。
メインの顧客である製薬企業からの関心も高いが、現在は他社の動向や成功事例を見守っている状況で、ある段階を迎えると一気に浸透する可能性が大きい。