2010年夏CCS特集:富士通九州システムズ
ADME予測で実用性向上、液晶化合物DBも好調
2010.07.28−富士通九州システムズ(FJQS)は、薬物の体内動態や安全性を予測するADMET分野で独自製品を持つほか、富士通および菱化システムが持つ多彩なCCSパッケージソフトの販売、さらにはシステムインテグレーターとしての開発力を生かした受託システム構築まで、幅広い事業展開を推進。ポーランドにCCS開発・販売の拠点となる子会社「FQSポーランド」を擁していることも特筆される。
自社製品では、薬物動態を予測する「ADMEWORKS」が機能強化され、7月にバージョン6がリリースされた。自社で開発している強みを生かし、実際のユーザーの要望を迅速に取り入れて実用性を向上させたもの。
あらかじめモデルを組み込んだ予測専用システムの「ADMEWORKSプレディクター」では、例えば毒性が“ある”か“ない”かといった2クラス判定の場合、予測結果の信頼性を知りたいというニーズにこたえ、信頼性の高さを同時に表示できるようにした。予測に用いたモデル母集団からの距離で判断する仕組み。また、調べたい構造がモデル母集団の中に存在していれば、予測値の代わりに実測値を表示することができる。さらに、予測結果の根拠をレポート形式で出力する機能も追加された。
自分でモデル作成ができる「ADMEWORKSモデルビルダー」では、新しい特徴抽出手法として“SVR”(サポートベクターレグレッション)を採用した。また、異なるモデル化手法で複数のモデルを自動的に作成し、いくつかの評価指標を用いて最良のモデルを選択する機能も追加されている。
一方、液晶化合物データベース「LiqCryst」も他社にない製品として評価が高い。アジア全域の販売権を持っており、中国や台湾でも好調な引き合いを得ている。これも最新バージョン5が今夏にリリースされる予定だ。