2010年夏CCS特集:インフォコム

統合プラットホームに発展、自社製品海外で普及へ

 2010.07.28−インフォコムは、米シュレーディンガーの創薬支援システム群が引き続き好調。近年ではこれに加えてケムインフォマティクス分野の製品展開を強化しており、とくに今年になって分析関係の新製品を相次いで市場投入してきている。

 シュレーディンガー製品は、たん白質立体構造予測の「Prime」とドッキングシミュレーション「Glide」の組み合わせに代表されるようにストラクチャーベースドラッグデザイン(SBDD)分野を主体とするイメージが強かったが、最近ではリガンドベースドラッグデザイン(LBDD)やケムインフォマティクスのツールも充実し、創薬支援の統合プラットホームとしての機能強化が図られてきている。

 Pythonを使用した開発環境も整ってきており、インフォコムでも単なるパッケージ販売にとどまらず、ユーザーからの開発をともなう要望にも積極的に応じていく方針を打ち出している。

 その「シュレーディンガースイート」の最新2010年版は、この7月中にもリリースされる予定。母核構造の置換を行う「コアホッピング」といった新プログラムが追加されるほか、グラフィック機能が改良されて実験化学者にもさらに使いやすくなるということだ。

 一方、インフォマティクス関連では、ワークフロー型プラットホーム「KNIME」上で利用できる自社開発のノード集「JChemエクステンションズ」が7月にバージョンアップされた。ハンガリーのケムアクソン製ツールを利用しており、無償公開している基本ノードは9割近くが海外からのダウンロードとなっている。現在、製品版はケムアクソンのルートで海外での販売がスタートしており、今後の普及が期待されている。

 また、ウェブベースで生物・化合物情報を統合的に閲覧できるようにする英ドットマティクス製品のほか、質量分析データの解析関連で英スペクトラルワークス、米シエラアナリティクスとも相次いで代理店契約を締結している。


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