2010年夏CCS特集:エルエイシステムズ
NMR/MRI関連で実績、天然物DBも提供開始
2010.07.28−エルエイシステムズは、NMR/MRI関連製品を中心に、実験情報のデータベース化など、ユニークなシステムの提供ときめ細かなサポートを得意としている。
NMR関連では、米国立衛生研究所で開発された「NMRPipe」が主力。高速多次元NMRデータ処理・解析システムで、最新版ではノンリニアサンプリングに対応、たん白質の骨格の角度を推定する新モジュール「TALOS+」が追加された。ニューラルネットワークを利用する方法を導入しており、計算速度が大幅に向上した。
また、たん白質の構造を予測するフリーソフトCS-ROSETTAと連携するための新モジュール「DYNAMO」にも注目が集まっている。この分野では、スイスのピーターギュンタルト教授が開発した「CYANA」との組み合わせも人気で、同社ではこれとのセット販売も推進。いずれにしても、NMRPipeの新機能を武器に、さらに新規ユーザーを開拓していく考えだ。
また、有機天然物のNMRデータベース「CH-NMR-NP」も、社内のサーバーを利用したオンライン検索サービスを今年2月から本格的に開始した。3〜6カ月間の試用キャンペーンも行っており、まずは利用してみてほしいということだ。
一方、医療分野のMRI関連では、人体のMRIデータからスペクトルを取り出して代謝物の定量解析を行う「LCModel」(加ステファン・プロベンチャー)の注目度が高い。実際の医療現場で診断や検査に使われはじめているという。
また、医用画像処理ソフトの「Analyze」(米メイヨークリニック)もバージョン9となって、すでに評価は確立している。競合ソフトの多い分野だが、根強い人気があるという。