2010年夏CCS特集:オープンアイ・サイエンティフィック・ソフトウェア

国内の技術・開発体制強化、J-CUP成功で弾み

 2010.07.28−オープンアイ・サイエンティフィック・ソフトウェアは、今年4月に日本法人の東京オフィスを開設、技術サポートや開発を担当するスタッフを増員して、日本市場に対する取り組みを本格化させた。7月の初めには国内で初となるイベント“J-CUP”も成功させ、ますます事業に弾みが付きつつある。

 同社は、2008年10月に日本法人「オープンアイ・ジャパン」を設立し、代理店経由から直販体制に切り替えた。ただ、日本法人は直接の販売業務は行わないため、同社の製品は世界中どこでも同じ価格(ドル建て)で購入できる。そして今回、日本法人の体制が強化されたことで、欧米と同等の技術サポートを国内ユーザーにも提供できるようになった。

 その意味で注目されるのが、「OEChem」をはじめとするツールキットを中心にした事業展開。同社のアプリケーションもすべてこれらツールキットを使って開発されており、欧米ではこれを使いこなすユーザーが多い。

 今回のJ-CUPに合わせて、米本社の専門家からのユーザートレーニングも実施された。今後も技術的なフォローアップを行い、ツールの使い方や事例を紹介しながら、ユーザーが自分でアプリケーション開発に取り組めるように支援していく。

 一方、アプリケーション製品では、バイオアイソスター検索の「BROOD」向け専用GUIソフト「vBROOD」が6月にリリースされた。合成研究者がフラグメント置換を簡単に行えるようになる。また、X線構造解析の「AFITT」もGUI機能が強化された。欧米では最近の売れ筋製品で、技術的な優位性を国内でも正しくアピールしていきたいという。

 なお、J-CUPは、最先端のモデリング技術に関して研究者同士が情報交換し合うコンファレンスの日本版で、米国で11回、欧州で4回開かれている。今回の好評を受け、来年の開催も決定した。日本の研究者の発表やポスター展示を増やし、海外の技術者との交流もさらに活発化させる。


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