トムソン・ロイターが医薬品ライセンシング支援で新サービス

開発機関が無料で情報登録、提携先探しを橋渡し

 2010.07.06−トムソン・ロイターは5日、開発中の医薬品のライセンシングを支援するデータベースサービス「アウトパートナリングレジストリー」を無料で提供すると発表した。バイオベンチャーや大学などが開発中のパイプライン情報を登録し、ライセンス条件などを開示することができる。製薬企業や研究機関の間でのライセンスイン/ライセンスアウトを橋渡しすることが狙いとなっている。

 今回のサービスは、医薬品開発やビジネスを支援する総合サービス「ThomsonPharma Partnering」(トムソンファーマ・パートナリング、TPP)の一部として組み込まれたもの。TPP自体には、ドラッグレポート(新薬パイプライン情報)、ミーティングレポート(学会情報)、カンパニーレポート(企業・機関情報)、パテントレポート(医薬品特許情報)、ディールレポート(医薬品関連技術契約・提携情報)、リファレンスレポート(文献情報・ニュース)−のコンテンツが含まれている。

 アウトパートナリングレジストリーは、このうちドラッグレポートとカンパニーレポートに設けられた新しいデータフィールドに対して、利用者自身が情報を登録することができるサービス。TPPユーザーはもちろん、非ユーザーでも無料で自社の情報を登録できる。

 具体的には、ドラッグレポートの中で、ライセンスアウトしたい開発品について「ライセンス可能」のチェックを入れ、ライセンス内容や地域など開示したい項目を入力することができる。(基本的に既存レコードに対する追記であり、新しいレコードを作成することはできない) TPPユーザーがこれらを検索して、提携先を探ることに役立てることになる。

 こうしたデータベースサービスで、外部からの書き込みを許す例はほとんどないが、ライセンス情報は当事者でないとわからないことが多いことに加え、広くバイオベンチャーや大学などからの情報発信を促して橋渡しをしようとの狙いから、今回のサービス開始を決めた。

 書き込まれた情報の信頼性についてだが、書き込み用の無料IDの交付の際に審査が行われるほか、書き込み内容にもある程度のチェックは入るようだ。


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