2010年冬CCS特集:コンフレックス

配座探索ソフトを機能強化、量子化学との連携で注目

 2010.12.02−コンフレックスは、自社製品である配座探索ソフト「CONFLEX」と、量子化学の代表的パッケージ「Gaussian09」の連携を前面に打ち出すことで好調な業績を築いている。とくに、Gaussianユーザーの間でCONFLEXに対する関心が高まっており、海外市場での注目度も上がってきているようだ。

 CONFLEXは、分子や結晶の配座異性体の最適化構造をもれなく探索する機能を持つ。その手法がきわめてユニークであり、CONFLEXで発生させた精密な配座が量子化学計算の初期構造として利用できることが多くのユーザーに評価されている。Gaussianの専用GUIソフトである「GaussView」からスムーズに連携できるようにして以降、こうした活用法が内外に広まりつつあるという。

 現行のCONFLEXはバージョン6で、強化された結晶構造計算機能やNMR構造解析、UV/CDスペクトル予測などの機能で評価が高い。バージョン7は来年の発売を目指しているが、さらなる機能強化が期待される。

 Gaussian09の販売も順調で、材料研究を行う企業などではこれを活用できる研究者を増やしていく傾向にある。CONFLEXとの連携を含めて、今後も拡大が見込まれる。

 一方、カリフォルニア大学で開発されている分子軌道法ソフト「AMBER」も今年にバージョン11となり、さらに引き合いが活発化している。生体高分子を対象にした分子動力学計算の定番といえるソフトだが、マルチコアマシンが安価に入手できるようになったことで、並列計算に取り組むユーザーが増えていることが背景にあるようだ。

 とくに、グラフィックプロセッサー(GPU)の並列性能を活用する“CUDA”に対応していることが注目されており、問い合わせもきわめて多いという。いまのところはGPUに対応した機能が制限されているため実際には様子見のユーザーが多いが、将来的には大きく発展する可能性がある。


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