2010年冬CCS特集:富士通九州システムズ

自社パッケージを継続強化、ADME予測など好調

 2010.12.02−富士通九州システムズ(FJQS)は、自社開発パッケージの継続的な機能強化を進めるとともに、富士通および菱化システムをパートナーとして多彩なCCS製品を提供している。システムインテグレーターとしての開発力を生かした受託システム構築を含め、幅広いサービスを展開中だ。

 自社製品では、10月に「ADMEデータベース」のバージョン20がリリースされた。薬物動態関連情報をオンラインで検索できるサービスで、試験管内データを中心にヒトから動物へと情報量を増やしてきた。今回の最新版は、臨床データとの違いで比較したいという要望に応え、臨床での薬物相互作用データを新たに追加している。

 また、代謝や毒性などの予測システムである「ADMEWORKS」も注目されている製品の1つ。あらかじめ用意されたモデルを使って予測を行う「ADMEWORKSプレディクター」と、モデルそのものを構築することができる「同モデルビルダー」の2種類があるが、10月に価格が改定され、さらに導入しやすくなった。プレディクターは1ユーザーライセンス(買い取り100万円)が追加されて敷居が下がるとともに、半分以上のモデルが値下げされた。モデルビルダーも、同500万円から300万円へと値下げになっている。

 ともに製薬企業での導入がメインだが、最近では化粧品や化学メーカーからも注目されつつある。そこで、次期バージョンの新機能として、プレディクターでは光毒性モデル(化粧品素材の微粒子化の流れで注目)の新規構築、モデルビルダーでは金属原子に対応可能なパラメーター開発(安全性予測に関連)を進めているという。

 さらに、薬物相互作用を予測する「DDIシミュレーター」は、来年4月から子会社のFQSポーランド経由で海外販売を本格的にスタートさせる。すでに学会展示などで引き合いが寄せられており、今後の推移が注目される。

 一方、液晶化合物データベース「LiqCryst」も今年は非常に好調だという。10万を超える液晶化合物に関して38万7,000件以上のデータを収録したもの。ちょうど3日まで福岡国際会議場で開催されている「ディスプレイ国際ワークショップ」に出展中であり、会場で実物を確認することができるだろう。


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