2010年冬CCS特集:ウェイブファンクション
2年ぶりバージョンアップ、データマイニング機能など強化
2010.12.02−ウェイブファンクションは、年明けから分子モデリングソフトの最新版「Spartan '10」を新発売する。まずはWindows版、そのあとにマッキントッシュ版、続けてLinux版という順番でリリースされる。分子軌道法などの量子化学計算機能が強化されているほか、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)や付属データベースもますます充実してきている。
今回のSpartan '10は、約2年ぶりのバージョンアップとなる。データマイニングやNMRスペクトル計算機能など、ベンチケミストに役立つシステムとしての側面が目立つようになってきているという。
国内では教育機関向けの導入が大半を占めるが、コアな計算エンジンとしては最新アルゴリズムの量子化学プログラムとして評価が高い「Q-Chem」を採用しており、本格的な研究用途に利用することも可能。計算手法の点では、熱力学計算においてG3(MP2)よりも高速で精度の高いT1に対応していることなどで注目されている。
高速な計算環境を利用して並列計算に取り組みたいというニーズも増えているため、PCクラスターの構築やサポートを専門とする外部パートナーとの協調関係も結んでいる。
さて、同社が行うプロモーション活動としては、関連する学会での展示やワークショップの開催が中心になる。このワークショップは、開発者であるヒーリー社長自らがカリフォルニア大学名誉教授の経験を生かし、計算化学を教育に取り入れる方法などについて講義するもの。10年以上にわたって国内で定期的に開催しているが、現在でも受講者が途切れることはない。
学会展示としては、16日から18日までハワイで開催される「環太平洋国際化学会議」(PACIFICHEM)で最新のSpartan '10を披露する。会場では、来場者特典としてキャンペーン価格で予約を受け付けることにしており、ぜひブースナンバー301に立ち寄ってほしいということだ。