米リアクション・デザインが次世代エンジン設計シミュレーション技術開発

燃焼化学反応を3次元で解析、クリーンエンジン開発を支援

 2010.12.09−米リアクション・デザインは、次世代クリーンエンジンといわれる予混合圧縮着火方式(PCCIまたはHCCI)のエンジン開発を大幅に効率化するシミュレーションソフトウエア「FORTE」を開発した。シリンダー内の燃焼シミュレーションを化学反応に基づいて精密に行うことができ、燃料効率が高く低エミッションのエンジン設計を強力に支援できる。日米欧の自動車メーカーなど約20社を集めて2006年から推進してきた「モデル燃料コンソーシアム」の開発成果を製品化したもの。日本法人ならびにパートナーの菱化システムを通して販売する。ソフトウエアの年間使用権は200万〜300万円となっている。

 現在、自動車分野では、低燃費・低エミッションを実現する次世代エンジン開発が活発に行われているが、例えばHCCIでは通常のガソリンエンジンで10マイクロ秒で完了する燃焼反応が2,000マイクロ秒というゆっくりとしたペースで進むため、燃焼中の複雑な化学反応を予測し、コントロールする技術が重要になる。ただ、その燃焼過程は数千もの化学反応で記述される複雑なもので、計算時間がかかりすぎるのが難点だった。

 今回の「FORTE」では、実燃料の主要成分を1つか2つの分子で置き換えたサロゲート成分として単純化し、それぞれの素反応モデルを開発、実燃料に対応する“モデル燃料”(サロゲート成分の混合物)として熱流体解析に組み込む技術を確立した。さらに、ウィスコンシンエンジンリサーチコンサルタント(WERC)と共同で新開発した噴霧モデルを組み合わせて、3次元でのエンジン内部における流体シミュレーションを実施することが可能。

 コンソーシアムのプロジェクトを通じて、着火タイミングやノッキング傾向、汚染物質としての煤の排出などの基本的な燃焼特徴が正確に予測できることが確認されているという。

 また、高速なアルゴリズムも組み込んでおり、従来のプログラムに比べて1,000倍の高速化を達成。並列化の効果も加え、8〜32コアのマシンを利用して夜間に解析が完了するレベルの実用性を実現できたとしている。

 モデル燃料コンソーシアムは第2期が来年に終了する予定だが、メンバー企業は開発成果のデータベースを利用することですぐにFORTEをフル活用することが可能。非メンバーに対しては、第1期分のデータベースを12月中旬より提供できるという。


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